こんばんは
バタバタしていてなかなかブログに手が回らずに過ぎてしまいました
今年1年を振り返ると、やはりベルソムラの講演会が多かった1年です。
とはいえ、ベルソムラをただただお勧めするというものではなく、
安易なベンゾジアゼピン系の眠剤や、非ベンゾジアゼピンと言われながらも、
中止しにくい睡眠導入剤(マイスリーやルネスタなど)の危険性を説明し、
特にデパス(エチゾラム)などの依存性の強い薬剤への注意喚起が主でした。
日本はデパス病かと思うほど、安易にデパスが処方されてますよね。
でもベンゾジアゼピン系の薬剤の中でも依存性が高く、
筋弛緩作用も強いため、転倒のリスクの高いデパスは、
なかなかやめられないし、すぐに耐性のできる怖い薬です。
転倒して大腿骨骨折などして認知症になるリスクを考えれば、
高齢者には全く不向きの薬であるのに、高齢者によく処方されています。
まきメンタルクリニック(←リンクあり)では、
私からデパスを処方することは一切ありません。
処方しなくても困ったこともありません。
他の医師がなぜいとも安易に処方するのかが謎です。
今年は業を煮やした厚労省が、ついに長期処方に注意喚起を促したほどです。
1錠も飲むなとは言いませんが、依存性の強さを考えると、
あくまでも頓服で数回がせいぜいの薬だと思います。
もともと諸外国と比べてベンゾ大国と言われる日本。
人口1000人あたりのベンゾジアゼピン系のベンゾジアゼピン系の処方率は
かなり高いのですが、そこにはデパスが含まれていません。
デパスを含めると、もう諸外国と比べようもないほど突出しています。
これはなかなか恥ずべき実態であるのですが・・・。
先日も当院で長年内服していた睡眠導入薬(アモバン)をやめられた方が、
他の人からどうやってやめられたの?と聞かれるという話をしていました。
本人がやめたいという意志を持ち、医師が睡眠指導などしっかりサポートすれば、
たいていの場合はやめられるのではないでしょうか。
安易に薬を出す前に、きちんと睡眠指導や精神療法をすべきなのに、
日本の精神科医が処方マシンみたいになっていることは嘆かわしいことです。
今年はグーグルが大鉈を振るって、医療情報の検索エンジンを
信用性の高い情報が上位に来るようにしたのも画期的だと思います。
誰かが書いた自分の体験談(ブログなど)も参考になる場合はありますが、
個人の感想なので、正直胡散臭いものもたくさんあり、
そうした情報に振り回されている人も少なくありません。
みなさんも情報は選んでほしいと思います。
ではではよいお年をお迎えください。
Written by まきメンタルクリニック 院長 西崎真紀
では今日はスピッツの「君が思い出になる前に」を贈ります