選挙イヤー「亥年」の政局はどうなる?  | 舛添要一オフィシャルブログ Powered by Ameba

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 12年前の2007年、私は参議院自民党政策審議会長の任にあり、また夏の参議院選挙への自らの立候補準備も進めていた。

「消えた年金」が参議院選の一大テーマとなり、自民党は選挙で大惨敗を喫してしまった。私は、当選はしたものの、前回の3分の1の得票という苦しい選挙であった。

 選挙後、安倍首相によって厚労大臣に任命された私は、年金記録問題の解決に取り組むことになったが、安倍首相は体調不良で辞任し、福田内閣が後を継いだ。参議院は野党が多数派となり、「ねじれ国会」の下での政局運営には閣僚として苦労したものである。そして、2年後には政権交代となって、自民党は下野した。

 12年前と違って、今の野党は分裂して無力であり、安倍政権は国会で安定した多数派に支えられて盤石な体制のように見える。統一地方選と参院選は12年毎に亥年に行われるが、自民党は地方選に勢力を使い果たして、参院選の戦力が手薄になって敗退するというパターンが多い。

 まず、統一地方選挙であるが、4月7日の福井、島根、徳島、福岡県知事選で自民党の分裂選挙となるが、上記4知事選は、分裂してもいずれかの自民党系候補が勝つ可能性が高く、野党の出番はなさそうである。

 要は、安倍自民党一強で、野党があまりにも弱いために、自民党内で分裂する余裕が生まれているという事態に陥っているのである。

 さらに注目されるのは、4月21日に投票が行われる衆議院大坂12区と沖縄3区の補選である。前者は、自民、維新、無所属、共産と候補が乱立している。後者は、自民・野党の一騎打ちであるが、公明党県連は辺野古移設に反対である。この二つの補選の結果は、参院選にも微妙な影響を与える。

 参院選の最大のポイントは、野党の大同団結ができるか否かということである。小沢一郎議員が動いて、自由党と国民民主党が合同の方向で動いているが、立憲民主党がその動きに合流するかどうかは、統一地方選挙が終わってからの話となるであろう。この合流が実現すれば、自民党にとっては大きな脅威となる。

 選挙の争点としては、厚労省の不適切調査、10月の消費税増税、日露間の北方領土交渉などが浮上するであろうが、いずれの問題も自民党には有利に展開しないであろう。世界的な景気後退で消費税増税が可能なのか。日露平和条約交渉も行き詰まっている。選挙は、蓋を開けてみないと分からない。