中東を理解するための5つの要素 | 舛添要一オフィシャルブログ Powered by Ameba

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  イラン革命から40年、アメリカとの対立が気にかかる。ISはシリアで完全に壊滅されたのか。イスラエルとパレスチナの対立も続いている。

 中東を理解するための5つのポイントを列挙しておく。

(1)石油:もし中東が世界の主要な産油国でなかったら、これほどまでに世界の注目を浴びなかったであろう。1970年代の2次にわたる石油ショックが国際経済に与えた影響は大きい。40年前のイラン革命ももちろん関連がある。

(2)民族問題:イラン・イラク戦争は、ペルシャ人とアラブ人の戦いでもある。また、クルド人の存在も忘れてはならない。国家を持たない世界最大の民は、ISとの戦いでも重要な役割を果たした。一つの土地をめぐるユダヤ人とパレスチナ人の戦いも続いている。

(3)宗教:イスラム教徒はユダヤ教徒やキリスト教徒と反目する。また、イスラム教徒の中でも、スンニ派とシーア派が対立している。イランがシリアを支援している理由の一つが、同じシーア派だということである。

(4)政治体制:王政、共和制などのレジームが影響する。パーレビ王朝を追放した今のイランを、王政のサウジアラビアが嫌うのは当然である。

(5)勢力均衡:中東地域の覇権争い。エジプト、トルコ、かつてのイラク、今のイランなど、軍事大国が勢力バランスをとっている。

 以上の5点を、いわば5元連立方程式を解くように分析していくと、中東の政治がよくわかる。