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今日は、私が30年以上前に聞いた話をお伝えします。
ネタ元は、故渡部昇一先生です。


▼矛盾する自由と平等

1789年に起こったフランス革命
スローガンは、「自由、平等、博愛」でした。

博愛というのは、
「すべての人を等しく愛すること」だそうです。

これは問題ありません。
問題は、「自由」と「平等」です。

この二つは、両立するのでしょうか?
両立するものもあるでしょう。

たとえば、「すべての人種は平等である」。
これは、成り立ちます。

オバマさんは、200年前に生まれていれば、
合法的奴隷でした。
それが、今ではアメリカの大統領になることができる。

イギリスのスナク首相は、インド系です。
100年前に生まれていれば、イギリスの植民地人でした。
それが今では、イギリス政界のトップにいる。

これらの事実は、
「人種間の平等が進んできている証拠」といえるでしょう。

しかし、平等には、他の側面もあります。

たとえば、「お金」についてはどうでしょうか?

自由を重んじれば、貧富の差はどんどん拡大していきます。
つまり平等でなくなっていく。

一方、平等を重んじれば、貧富の差は開かないでしょう。
しかし、お金を儲ける能力に長けている人たちの
自由を制限することになります。

このように、自由と平等は両立しないことがあるのです。


▼自由を重視したアメリカ、平等を重視したソ連

フランス革命のスローガン。
自由を平等より重視した国がアメリカでした。
平等を自由より重視した国がソ連でした。

ほとんどの人は忘れていると思いますが、
ソ連は元々、「万民平等」
を掲げて誕生した国だったのです。

第2次大戦後、自由の国アメリカと、
平等の国ソ連の冷戦がはじまりました。
勝ったのは、「自由の国」アメリカでした。

なぜ、自由が平等に勝利したのでしょうか?


▼平等とは、「もっとも足の遅い子に合わせること」

考えてみましょう。
小学生のかけっこを想像してみてください。

足の速い子と遅い子がいます。
運動会でかけっこをすれば、
当然1位、2位、3位、4位と順位がつけられます。
これが「自由」な状態です。

では、「平等」を重視したらどうなるでしょうか?

先生は、「人類みな平等、皆で手をつないで、
一緒にゴールしましょう!」と命令します。

するとどういうことが起こるでしょうか?

足の速い子供たちは、もっとも足の遅い子供達に
あわせて走ることになる。

足の速い子供達の自由は制限され、
平等は達成されるのです。

社会に出ると、どういうことが起こるでしょうか?

社会には、「お金儲けをする人たち」と
「お金儲けをしない人たち」がいます。

お金儲けをしない人とは、たとえば、
公務員、公立学校の先生、警察官、自衛官などです。

これらの人たちは、社会に絶対必要です。
だから、尊敬し、大切にするべきでしょう。

お金儲けをする人たちは、会社を経営したり、
投資をしたりします。
もちろん、会社員も、「お金儲けをする人」です。

しかし、彼らは「お金儲けだけ」している
わけではありません。

社会の人たちが必要としているものを作ったり、
サービスを提供して、結果としてお金を稼いでいるのです。

自由の国では、お金儲けが得意な人は、
どんどんお金持ちになっていきます。

一方、自由よりも平等を重んじる国では、
「能力のある人がお金持ちになるのを阻止する力」
が働きます。

どうやって、政府は、能力のある人がお金持ちになるのを
阻止するのでしょうか?
税金を通してです。

たとえば日本の所得税+市民税、最高税率は55%です。

私たちは学校で、
「江戸時代は、五公五民でした。
つまり、税率50%です。
ひどい時代でした。」
と習いました。

ところが、今の日本も、お金持ちは江戸時代より
多くの税金を払わされているのです。

一方、アメリカの所得税率は最高37%。
日米の差は、18%。
年収1億円の人は、アメリカで3700万円、
日本で5500万円の所得税を払うことになります。

その差、一年で1800万円!

ちなみに、私の知人のネット長者には、
シンガポールに移住する人がたくさんいます。
以前は、香港に引っ越す人もたくさんいました。

しかし、2020年に香港国家安全維持法が施行された後は、
シンガポールが人気です。
シンガポールの所得税の最高税率は22%。

年収1億円の人は、2200万円の所得税を払います。

日本5500万円 - シンガポール2200万円 =3300万円

同じ所得なら、シンガポールに住めば、
1年間で3300万円もお得なのです、
引っ越したくなる気持ちもわかるでしょう。

ちなみに、シンガポールの一人当たりGDPは2021年度、
72794ドルで世界5位でした。
日本は同年、39301ドルで世界27位。
自由(と規律)の国シンガポールの一人当たりGDPは、
日本の1.8倍で、圧勝です。


▼平等が主の国は亡びる

30年以上前に渡部昇一先生から聞いた話。
本質は、「自由が主で、平等が従でなければならない」
ということです。

もちろん、自由も平等も大事です。

しかし、「どちらがより大事か?」と聞かれたら、
「自由だ」ということなのです。

私は、この話を聞いて、「本当にその通りだ!」
と思いました。

なぜでしょうか?

私が1990年に留学した国ソ連は、
「平等を世界一重視した国」でした。

そして、平等を世界一重視したソ連は、1991年に崩壊した。

繰り返しになりますが、なぜ「自由より平等を重んじる国」
は成長しないのか?

重税によって金持ちがつぶされていくからです。


▼日本はどうすべきなのか?

私は、何がいいたいのでしょうか?
私は、「全員一律のフラット税を導入せよ」と
主張しているわけではありません。

ちなみにロシアの所得税率は、一律13%でした。
(今は、13%と15%の二段階です。それでも安い。)

これで、ロシアは、とんでもなく貧富の差が
開いた国になりました。
だから、ある程度の累進課税は必要でしょう。

しかし、最高税率55%は高すぎます。
これをアメリカ並の37%まで引き下げれば、
社会に活力がでてくるでしょう。

それと、これは「平等サイド」ですが、
最低賃金を徐々に引き上げていくことも
絶対必要だと思います。

そして、増税に反対しましょう。

私は、「日本の閉塞感の理由」として、
三つをあげています。

・少子化問題は解決不可能と信じ込んでいること
・ひどい労働環境(改善されてきていますが)
・重税

岸田さんは、「防衛増税」「消費税引き上げ」
「異次元の少子化対策増税」
など、いろいろ画策しているみたいです。

総裁選の時は、「私は財務省のポチではありません」
といっていましたが、
結局そうであることを、証明しつつあります。

繰り返しますが、「自由が主で平等が従」です。

平等を主とする政府は、税金を上げることで、
金持ちつぶしをしていく。

(消費税率が引き上げられると、一般庶民の豊かさも
つぶされていきます。)

結果、かけっこの例のごとく、国民も国も貧しくなり
滅びの道をいくのです。

私たちは、ソ連の教訓から学ぶべきです。

 

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