性(しょう)の大切さ (雑木編) | しんしの盆栽初心者日記13年目

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盆栽の楽しさを皆さんに知ってもらいたく。
日々の作業、盆栽の成長を記録としてブログに綴っていきます。

春の芽吹き時期よりこれまでの間忙しなく芽摘みや葉透かしの作業に追われているわけですが、最近ある事に気づかされました。

性(しょう)の大切さ。

盆栽は性が大切だとは以前から言っておりましたが。

 

では、性の悪い盆栽はどこが悪いのか

一般的に性の悪い盆栽は枝先がゴツクなり繊細な枝が出来ないと言われていますが、何故枝先がゴツクなるのでしょう。

 

最近の私の考察では、悪い性の樹は芽摘みなどの作業をしても枝先に多くの芽を持ってしまい、懐には全く力がいかない。

こういった悪い性の樹は芽摘みなどをより細やかに行う必要があり、すこしでも怠るとすぐにゴツクなってしまう。

ただ残念ながら、こまめに行ったからと言って繊細にはなりません。

具体的には、枝先の芽に力を付けさせてしまうと芽摘みで切り戻しても切り戻した部分からしか芽吹かないので芽摘みの効果が半減する。

逆に良い性の樹の場合、枝先の芽を摘むとその場所よりも幹に近い位置の芽が動く傾向が強く、樹の輪郭が多くの葉で覆われるまでの期間に時間が掛かる。

 

では、性の良し悪しの見極め方ですが、楓の場合今の季節では悪い性の樹は葉が固まる(色が濃くなる)までの期間が短く、すぐに輪郭が葉で覆われてしまう。 

良い性の樹は葉の色がいつまでも茶色っぽく薄い。これは素材の樹にも当てはまり、葉の大きさが大きくなっても厚さが薄い気がします。

 

欅の場合は、悪い性の樹は芽摘みした枝でも太りが早い。しかも楓よりもさらに先端にしか芽が吹きません。

ちなみにこちらが性の悪いケヤキです。全体的に枝がゴツイですよね。

12年前に購入時、現在K君が持っている樹とこの欅の2本からこの樹を選んだのですが、その時に先生に言われたのが、

『この樹の方が性が悪いので、樹造りに手こずると思いますよ』

ただ盆栽歴1年のその時の私は、

(手間と時間をかけて立派な樹を造ってみせる)と思ったのですが・・・・・。

 

今だったら分かりますよ。

この樹は雅風で使える樹にはなるが、大臣賞を取れる樹にはならない。と。

性の悪い樹は太りが早いだけで繊細な樹を表現する事は出来ないと思います。

 

ちなみに性の良い欅がこちらです。

K君の持っている欅はこれと同じ性の樹です。(K君の樹で40年は経っていますね。この樹は実際に80年以上とか言われています。実際に見て12年前から3本の樹、目に見えるほど太さ変わっていません・・・。)

ちなみに小枝の細さの違いがわかりますか?

 

先ほどの楓ですが

性の悪い楓です。

悪いと言っていますが、これでもめちゃくちゃ悪い性ではないですよ。

ソコソコ良い樹ですよ。

でもね、本当に性の良い欅と比べてしまうと見劣りしてしまいます。

 

こちらが性の良い楓

(画像の使いまわしすみません・・・。)

 

今現在の様子ですが、カエデの葉の色の違い分かりますか?

 

盆栽は性の良い樹が受け継がれてきたという事実が、この事を物語っていると思います。