CDジャケットに記載されている歌詞です。
作曲は諸見里耕一、いつもお世話になっている『CROSS CULTURE RECORDS』の社長です。
歌詞を一読して、新世界の本質というか、根っこの部分を見事に表現している内容に感じました。
新世界に生まれ、新世界で育った私にとって、ちょっとした衝撃を受けたぐらい、新世界の急所を突いた歌詞に驚きました。
流れ着いた街、新世界
心の傷を捨てにきた
拾ってくれたよ
この町だから
これは2番の歌詞です。
人生いろんなことがあって、もう一度、一からやり直そう、再起を図ろうという気持ちで新世界に来た人。
たまたま流れ着いた新世界が自分を受け入れてくれて、いつしか新世界に根付いていく人。
私、若い頃から新世界でお店をしていて、様々な人生を送ってきた人達と出会ってきました。
歌詞を読んで、これまでの数十年のことが走馬灯のように思い出されました。
3番の歌詞です。
故郷捨てたわけじゃない
帰りたいけど帰れない
そんな話で酒を呑む
私が生きてきた新世界がそのまま表現されてます。
さて、私が新世界で街おこしの活動を始めたのが15年ほど前です。
これまでの新世界のイメージを払拭し、若い世代の人達が楽しめる街にしていきたい、若い世代の人達が活動できる街にしていきたいとの想いから、街の活動を始めました。
特に若い世代の女の子達が安心して来れる街にしていくことが大きな目標でした。
そして、私達の次の世代の人達が、新世界で生まれ育ったことを誇りに思えるような街にしていくことも大きな目標です。
現在、新世界には多くの観光客が訪れ、大阪を代表する観光エリアとして賑わっています。
歌詞に描かれている新世界の本質とは違う方向性の街おこしの活動であり、真逆の街のイメージになってきたように感じます。
しかし、新世界の本質的なところは忘れてはならないし、本質的なところが新世界の奥深い魅力になっていると思います。
新世界ブルースの歌詞を読んでみて、昔の新世界と今の新世界、そしてこれからの新世界について、より深く考えるきっかけになりました。
賑やかや街になっても、有名な観光エリアになっても、若い世代の人達や外国人観光客が増えても、新世界の本質の上に成り立っていることを感じる今日この頃です。