塩沢お召しに、結城紬地に葡萄柄の名古屋帯 | 風が吹く日も、雨の日も

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着物と子どもと「おいしいは正義」の日々。街歩きや美術館なんかも好きです。

 天気に恵まれず、なかなか着ることができなかった単衣のお召しですが、やっと着る機会がめぐってきました。
 塩沢御召は水に弱く、濡れると縮むので雨の日は着ないようにと呉服屋さんに言われています。
 別の呉服屋さんのご主人は、最近加工技術が進んでいるので縮まないと言ってられましたが、一枚しかない大事な塩沢なので、あまり怖い冒険はしないようにしています。

 秋を意識して、帯は葡萄の実と蔓を描いたものにしました。
 実りのイメージを意識して、帯〆に赤いものを選びました。

 単衣の時まで帯揚げ、半衿は夏ものなのですが、私は夏ものの帯揚げをまだ二枚しか持ってないのです。
 ええ、どちらも大活躍です。
 昨年は一枚きりで、今年は一枚買い足して二枚になりました。
 来年は三枚になってることでしょう。

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 この帯は結城紬の着尺を使い、ローケツ染めで絵柄をつけた贅沢なものです。
 製作者の方が結城紬が大好きなのだそうです。
 この方の描く絵柄はとても素敵で、時代年齢を問わず使える品のあるものだと思っています。

 この少し前に一年ぶりに催事で作者の方にお会いする機会がありました。
 まだ夏ものの季節で、この帯を締めて見せられなかったので、締めた時の写真を持っていって見てもらいましたら、とても喜んでくださいました。
 作者の方は、自分の作品の行く先を見られないことが殆んどなので、身につけてもらっている様子を知るととても喜ばれるようです。これは、売るだけの呉服屋さんでも同じようなことを言われます。多く買って置いておくよりも、少なくてもいいから着てもらいたいのだそうです。
 ま、着ると「もっとこれも着て!」って勧められちゃいますけどねw

 前柄の葡萄さん。
 反対巻きにすると、実がなく葉だけの柄になり、感じが変わるように柄つけがされています。

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 お太鼓の柄もわざと長くして、お太鼓を作る位置によって感じが変わるようにしてあるそうです。
 まだ着付けが上手くないので、そんな技は繰り出せませんが~。

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 織りの着物のお召しに、織りの生地である結城紬の帯を締めると、滑りにくいのでとても締めやすいのでした。
 織りの着物に織りの帯は正統派ではない組み合わせなんですが、そんなことは全然気にしていません。
 フォーマルな場に出るのでない限りは、気にせず好きな組み合わせでいいと思っています。
 何故か私の手持ちの着物アイテムは着物も帯も織りがやたらと多いので、正統派のルールを守っていると着れるパターンがとても限られるのも好きにやってしまう理由です。

 縁があって織りのものに沢山触れ、その魅力を知るものにすれば、フォーマルでないと言われる織りのものを大事にしたくなるのは自然なことです。
 特に結城と琉球ものは、私にとって縁深く大事なものです。

 最近気になっているのは米沢の織物です。
 産地としても活発な印象があります。
 まだ半幅帯を一本持っているだけですが、結城と並んで米沢も行ってみたいと思うようになりました。
 私は染織を通して日本をじわりと知っていくんですねー。