原稿整理と校正・校閲の間 | しのばず編集部

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編集、校正、校閲などをやっている、ひとり編集部です。
言葉について、本について、仕事についてなど、つぶやきます。
ざんねんながら ほぼ、お役には立ちません・・・。

 

 

 

 

 

 

書籍にもさまざまなジャンルがありますが

 

私の携わっているのは語学学習、言語は英語の書籍です。

 

 

 

 

書籍としてページが印刷され、製本されるに先立って

中身がないと、なにもできあがりません。

 

 

 

出版社の編集部に属する社員は

あれこれ、雑多な業務をします。

 

 

 

誌面のレイアウトに合致するよう、テキストを配置する作業を

まあ、おおまかには

原稿整理と呼んでいますが

 

それは、大概は、(外部に依頼しない限り)編集担当者が

行うものでしょう。

 

 

原稿整理が終わって、校正刷りになったものを

 

ゲラ

galley

 

と呼びます。

 

 

 

 

 

現在、私は自営業になって

版元さんから

 

 

原稿整理が済んだはず(?)の

ゲラ(校正刷り)を送ってもらって

 

 

「校正してください」と依頼されたりします。

 

 

 

が、

目を通し、考え、調べ、修正やら提案やらを書き込む仕事をしているときに

 

ものすごく、修正を書き込まねばならないことが多く

 

 

そして

実感するのは――

 

 

これは、校正・校閲以上のことをやっている――

 

 

ということです。

 

 

つまり、校正刷りの上で

少なからず、原稿整理をしなければいけない

という事態が

 

 

毎度のように、起こっているわけです。

 

 

 

担当の編集部員さんが

 

単にざーっとテキストデータを流し込んでいる場合が

目立つのです。

 

 

もっと、時間をとって

内容について、正しく、きめ細やかに

 

「読む」時間を

 

とってから、校正刷りという形にしてほしいです。

 

 

 

少なくとも、日本語の文章になるように。

あるいは、英文であれば、英文であるように。

 

きれいにしてから、レイアウトに入れていただきたいものです。

 

 

 

でないと、版元のほうで

スケジュールが厳しくなればなるほど

朱字が増える

という、

 

本末転倒の状況が、生じるんじゃないでしょうか。

 

 

それは、一冊の本にとって

不幸な状況ではないでしょうか。

 

 

 

毎回のように繰り返されると

 

ああ、本が「売れない」という以前の話かも、

 

読めないような本が、多いのかも。

 

 

そんな気持ちにもなります。

 

 

 

 

私は、自営業ですし

スケジュールが「押して押して、どうしようもない」ときに

 

 

「どうにか1週間でやってください」のような条件で

買いたたかれる存在ではありますが

 

 

 

・ああ、著者が、もっと日本語力があればね。

 

・日本語力がないなら、編集担当者と一緒にもっとしっかり、内容を詰めればいいのに。

 

・担当の編集部社員さんが、もっと計画的に仕事をしていればね。

 

 

 

と、苦く感じることは

 

多々、あります。

 

 

 

それが叶わないのであれば

 

 

本は、ほんとうに書きたい人であれば

いくらでも、自費で製本できるわけですから

 

 

編集担当者の立ち位置は、なくなってもいいのではないでしょうか。