パピーリナックス(Puppy Linux) はインストールしなくとも、セッションを保存さえすれば使いつづけることができます。インストールする場合にFrugalとFULLの2つのスタイルがあります。標準は Frugalインストールで、フルインストールは推奨されません、なぜでしょうか?
1. フルインストルにメリットがほとんどない
実装 RAMが256MB未満であるとかCPUの能力が弱い場合に Frugalよりもフルインストールがパフォーマンスが良いという議論もありますが、定かではありません。
パピーリナックス日本語フォーラムのトピックを覗いてみてください。
FULLインストールすると速くなるの?
2. フルインストルにはパーティションの切り直しが必要
たとえばWindowsなどのOSが使われていて、新たにパピーをフルインストールの形でデュアルブートしようとすると、Windowsのパーティションを縮小するなどしてパピー用に新たなパーティションを確保しなければなりません。これはたいへん危険です。データーの喪失やシステムが起動しなくなるかもしれません。
HDDを追加するとか、PCをパピー専用機とする場合でも、パピーの新たなバージョンや派生を試すとき、フルインストールだと、その都度パーティションを切り直さねばなりません。これにより以前のシステムを破壊する恐れもあります。
3. フルインストールではシステムの復旧が困難
アプリをインストールしたり、設定をいろいろいじったりしているうち、システムがおかしくなってよく分からない状態になった場合、フルインストールでは復旧の方法がありません。けっきょく最初からクリーンインストールしなおすというハメに。
Frugal インストールでは、システムを書き込み不可の SFS ファイルに収められており。それとの差分は pupsaveという書き込み可のファイルに収められます。差分である pupsaveを使わずに起動すれば(RAM モード)、いつでも簡単に初期状態となります。
システムが不調のとき、何らかの理由で壊れたとき、RAMモードで起動してみると、システムとハードの相性の問題なのか、その後のアプリのインストールや設定に問題があるのか切り分けができます。後者であれば pupsaveを作り直せば済みます。
不具合があってパピーリナックス日本語フォーラムで質問すると、たいてい RAMモードでの動作確認を求められます。フルインストールではそういう問題の切り分けができません。
4. Frugalインストールはパピー固有のインストール法
Frugalインストールは他のLinuxやOSで見られない、パピー独自のものです。そのため馴染みが少ないかもしれませんが、Frugalインストールでこそパピーなので、なんとか慣れていただきたいと思います。
Frugalインストーラーを使う
ネット上の古い記事には「パピー・ユニバーサル・インストーラ」を用いたインストール記事がよくあります。これでは「Frugal」インストールと「FULL」インストールの選択肢が出て、間違えやすくなっています。
最近のパピーリナックス日本語版には「Frugalインストーラ」が備えられており、これを利用すれば確実にパピー推奨の「Frugal」インストールとなります。
USBメモリにフルインストールできない理由
「パピー・ユニバーサル・インストーラ」を使っても、USBメモリにはフルインストールできません。フルインストールではファイルの読み書きが頻繁で、最近のUSB3.0ならいざ知らず、古いハードでは速度的に実用的ではありませんし、USBメモリの寿命にも問題があります。
パピーのUSBメモリへのインストールは必ず「Frugal」インストールであって、USBメモリへの書き込みを最小限にするモードで運用されます。
他のLinuxをUSBメモリにインストールする記事がネット上で散見されますが、そういう問題を無視しているものがあるので、注意が必要です。
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パピー用語集:Frugalインストール
RAMモード