1972年2月19日 軽井沢駅で4人逮捕 |   連合赤軍事件スクラップブック (あさま山荘事件、リンチ殺人事件、新聞記事)

■軽井沢で4人逮捕(朝日・夕刊)
連合赤軍事件スクラップブック-1972-02-19 夕刊01


群馬県・妙義山中の過激派集団(連合赤軍)を津給している関東各県警は連日3千人の警官を動員して大捜査をしていたが、19日長野県・軽井沢町の国鉄軽井沢駅で逃走中の残党グループと見られる男女4人を職務質問した軽井沢署が逮捕した。


「兵士たちの連合赤軍」(植垣)によると、電車内での職務質問で住所を聞かれた際、「長野市内幸町」とこたえたが、警官の一人に「長野市には内幸町なんてない」と指摘されあっさりウソがばれた。


■またも悪臭からアシ(朝日・夕刊)
4人は19日朝8時まえ軽井沢駅に着き、男1人が待合室の売店でタバコと新聞を買ったとき、売店のおばさんが不審に思い、駅員に連絡した。4人ともよごれたアノラック姿で、長靴をはいていたので、「もしや京浜安保共闘の一味では・・・」とピーンときて、さらに近づいたところ異様なにおいがただよっていて、顔や手がうすよごれていた。


お手柄の売店の佐藤さん(45)はいう。若いのに顔色が悪く元気がない感じでした。旅行者にしては荷物が何もないので変だなと思いました。お金を受けと売ろうとして男の手を見るとあかと泥で真っ黒によごれており、顔も汚く何日もふろにはいっていないようでした。汗臭い異様なにおうがプーンと鼻をつきました。男の顔をまじまじとみつめると男は顔をそむけ、仲間のほうを振り向いた。そのとき過激派グループに間違いないと思い、トイレに行くふりをして、助役室へ走りこみました。


他紙でも「くさい!黒い手」(読売・夕刊)「くさい!」売店の目(毎日・夕刊)という見出しが躍っている。

「兵士たちの連合赤軍」(植垣)によれば、売店で買い物をしたのは、待合室であまりの汚さに注目されたため、「せめて少しでも普通にふるまおうと」したからだったが、完全に裏目に出た。


■麦ガユで食いつなぐ(読売)
ほら穴のアジトからインスタントラーメン、缶詰などのほか、60キロの小麦が発見され、捜査員の首をひねらせた。だが、同時に発見されたカマの底にはネギだけがはいった麦ガユがこびりついており、60キロもの小麦の使い道がわかった。麦ガユにすればふくらむので、一人一日150グラムあれば十分。10人いたとしても40日はもつ。榛名山のアジトでも麦ガユのはいったナベがみつかっており、主食は麦ガユだったらしい。このほかインスタントラーメン、缶詰がごちそうという食生活、資金はあくまで革命のための有力な手段とする一味の考え方を裏づける日常だった。


■その他の記事
第三アジトは爆弾工場で土田邸爆破、ツリー爆弾と同じ乾電池発見(読売)


読売は永田逮捕のときから「土田邸爆破、ツリー爆弾」との関連を報じつづている。 当時警察はこれらの爆弾事件の犯人検挙にやっきになっていた。この当局の姿勢が、後に「戦後最大のフレームアップ」(でっちあげ逮捕)と呼ばれる事件へとつながる(18人の赤軍派関係者が逮捕されたが、裁判で全員の無罪が確定した)。