敗血症② 目覚てから | しんのすけの病気になんか 負けないぞ!

しんのすけの病気になんか 負けないぞ!

大腸ガンと闘病中。

頑張りましょう!

3週間ぶりに目覚めた俺は
ビックリする事ばかりだった!


まずは…
身体が痛みで動かない。

少しも…


ってか…

喋れない?何で?



話したいのに口が動かない。


俺の…
身体中に色んな管と配線
ピコピコ鳴る器械がベットの横に何かある。


体の配線で心電図24時間管理


斜め前には知らない

見た事無い
ナースステーションに

監視カメラ映画



たぶん

『俺はもう死ぬから、他の病院に移されたのだ』

と思ってた。


この時点で死亡率はかなり高い。
50%以上



って言っても3週間も意識不明で起きた人が余り居ないから確率なんてここまで来たら関係無い。
生きてるのが不思議だ…。


俺はこの時点では、まだ
考え事なんか出来ないから取り敢えず

…また寝たぐぅぐぅ




だってさ

自分が生きてるのか…
死んだのか全然分からなかったから。


意識が無いのに
夢を見たのを覚えてる。

綺麗な行った事が無い海と広い砂浜霧晴れ霧


『あー来たかった所だ』

と思った。

もしかしたら三途の川?

目覚めてから何日かして同じ夢をまた見たぐぅぐぅ




もう

モルヒネの副作用で幻覚と現実の世界が区別出来なかった。


どっちが夢…?


身体は…
目覚めて2日目から、右手だけが動く様になった。

紙とメモペンで会話(筆談)出来るかと思ったが…

字は書けなかった!


悔しかったねしょぼんダウン




手が自由に動か無い…

『もう治らない』

と思ったね。



そしたら
直ぐに、娘がパソコンパソコンで一枚の紙を作って来た。



『あいうえお。はい…いいえ表』


これで指で差してと…



ひらがなと…点…丸
YESにNO




『おれ…いきてる?』

って聞いた。





そうしたら

『うん。うん。』

って言ってくれた。





『ありがとう』

って指すと




また

『うん。うん。』

って言ってた!





でも本当の地獄はここから始まった…





3日目
水が飲みたい。


そりゃ20日も何も飲んで無いからね…



でも主治医が

『水はダメですよ!人工呼吸器外したばかりだから穴が開いてるからね!』


『少しだけは…?』


主治医
『ダメだよ。今飲んだら肺に入って死ぬよ!』

と脅される。



その日…

やっと右手が顔まで動く様になった。

意識が無い夜に、その右手が悪さする。



事件が起きた!


夜中に
酸素マスクを外して
気管切開した後の空気穴と縫い傷を外してしまった。
点滴の管も…


『先生大変です』

何だか知らないが血だらけになって俺が倒れてる。


どうやら俺は自分で自分を殺そうとしているらしい…
次の日から
手はベットに縛られ動けなくなった。

でも…生きてる


ICUには
ベットに仕切りは無い!

着替える時と…

死んだ時
家族が来てカーテンが閉められる。




意識を取り戻してから
毎日何回も俺の前で人が死んでいった。


ナースステーションの横に地下用のエレベーターが有る。



つまり俺のベットの前にはエレベーターの通路があり…



死んだ人にシーツを掛けて俺の横に運ばれて来た。


毎日…毎日…





だからかな
俺も夜に寝たら死ぬんだと思った。



『暗くなったら寝ちゃダメだ。今度は俺が死ぬ』



手を縛られながら、そう毎日おもってた。




と言うより…


実は今でもたまに、暗くなると寝るのが恐くなる時がある。

トラウマって奴か?



4日目

氷と歯磨きが許された。

と言っても自分では出来ない。
ベットを起こしてもらい歯磨きしてもらってから…
口に氷を入れてもらう。


ベットを起こしただけで
むかっ頭が痛い!
クラクラする。

目目がまわる。

1週間位で病棟に戻れる様に頼んだ。



ここに居ると『死ぬから』と言ったショック!

今考えたら何て失礼な…


ただ
それだけ廻りの人が死んで行くと頭がおかしくなる。




緊急救命は19対1とも言われる。

呼吸停止から助かる人が1
死ぬのが…19




詳しく調べると違いはあるだろう…


ただ、それだけ大変な所だと思った。



5日目かな…?
喉の乾きが我慢出来ず…

内緒で妹の旦那にペットボトルの水を頼んだ。
ガブガブと一気に飲んだ。
幸せだった!


ただ
むせた。先生にもバレた。熱も出た。



この頃はまだ
意識が戻っただけで細菌が全身に回って熱が39度あった。

何かあるたびに高熱で死にそうになる。



先生は約束だからと上の病棟に戻してくれた。



倒れて4週間ぶり位だろうか…?


正確には日付なんか覚えてる訳が無いが…


鏡を見たショック!

髪は抜け落ち顔はボロボロあせる
爪は腐ってた。


そして移動の日!




俺はなめてた…

車椅子車椅子に乗せて貰い押してもらうだけだと思ってた!!

①車椅子に乗るのが無理

②看護士3人係で車椅子に乗る

③浮腫んだ身体は重くて動かない

④身体中に管が有るから点滴も心電図も一緒に運ばなければダメ

⑤車椅子に乗ったら頭が上だから貧血になった

⑥人が居ないと何も出来ないと気が付く。


病棟に戻ったら看護士さん達が

『お帰り』

『頑張ったね』



たった一言で

思わず泣いてしまった…しょぼん
だって

『本当に頑張ったんだから』


と40才のオッサンが泣いた。


俺は
情けない心を入れ換える為にも
ほとんど抜けて無くなった、みっともない頭を坊主にした。



まだ
髪を切るだけで座るだけで…
貧血になる。




まだ病棟は早かったのか?

無理があったのだろう。

俺は
疲れて2日間熱が下がらなかった…ショック!ダウン


病棟に上がり手が自由になった。

『やっと寝れる』


そう思ったが…

事件が…





また
やってしまったショック!あせる

気管切開して縫った所を

引きち切った…



また血だらけ…

先生達いっぱい来た。

その場で縫ってもらったがまた手を縛られたダウン




先に言っときます。

全部で3回やりました!
点滴の管も引き抜いた…あせる


気管切開した所はタンが溜まる。
そうすると息が出来ない。

毎日2~3時間おきにタンを抜いて貰わないと苦しくなる。

水を飲むと喉に引っ掛かる

多分
喉の穴が苦しくて、むしり取ってしまうのだろう…


だから…
毎回縛られっぱなしでした。



それが良かったのかDASH!

手を縛られたから何とか外そうと、右足が動く様になった。



その右足で器用に縛られた紐を外した。




まー
だから3回目の事件が起きたのだけど…

右足も動いた!





『しょーがね~』と
問題が起きない様に気管の穴を塞いで少し喋れる様にしてもらった。


でもね…
この頃もモルヒネの幻覚は治っていない。



喉をむしり取って自分で塞ぐオペして治したと思っていたDASH!



その後
何度か車椅子車椅子に乗せて貰い1ヶ月ぶりにあし足だけお湯に温泉浸けてもらった。



相変わらず一時間が限界…
車椅子が疲れるとは本当に予想外だった!



身体中に激痛が走り…


相変わらず
幻覚と現実の世界が解らず
身体は右手と左手が少し動くだけ…

右足は膝まで上がるが左足は動かない。




人は2週間寝てると筋肉の70%が落ち歩けなくなり…


3週間で動けなくなる。




だから…
テレビテレビドラマで何年かぶりに目覚めた人が家族と抱き合って歩いてるのが

無性に『ムカつく』
腹立つ



そんなの無理だ!プンプン!
頑張っても起き上がる事も出来はしない…



まだ浮腫が取れなくて車椅子の移動も3人がかりだ…


身体も輸血と点滴ばかりなので
胃袋をお腹と結び穴を開けてイロウ手術をして
栄養源を直接胃袋に入れた。



お腹は腹水と浮腫でパンパンショック!

せっかくのイロウも入らない!


そこで今度は
お腹に穴を開けて腹水を出す事にした。


1日1リットルしか抜けないので、かなりかかった!
2週間位かな…



CT検査をしたら
今度は肺にも水が溜まり危険な状態に…



免疫力も落ちてるし

抗がん剤も出来ない…



おまけに抜いた腹水から癌が見つかり…

だんだんと全身に転移して行く。



ただ免疫力が無いから転移が早いのに治療は出来ないDASH!ダウンダウン







思い出すだけで…

頭が痛くなる。

もう書けない…



少し休憩パー