故城戸縁信氏はその当時この御神示「地球人類の起源」の最初に「はじめに」として次の一文を載せている.
 「島宇宙の形成―生物の発生―他の島宇宙から人類が移住―進化―その島宇宙が衰退―人類が移転―といった何千億年単位の大きな年月の流れを最初に語られている.まさに宇宙の一大ドラマである.この大ドラマの中で,吾々地球人類は一体どのような立場にあるのかをよく知らねばならない.」
 確かに前回は宇宙における人類の歴史そのものが語られた.今回は愈々地球の歴史上,人類が初めて文明を興す場面から語られる.では,その前回の続きを記す.

  御神示No.42 「地球人類の起源」 取次の神より (続き)

 偖て,太陽系の第3惑星なる汝等の地球上に初めて人類が降りたるは今を去る5千万年の昔なりしなり.是,太陽系の全惑星のうちにては最も若き星なり.此の若き星と申すは,人類の棲息に適したる諸条件が整いたる年月の遅きを申すなり.其の遅延せし理由は地球生成期に一つの衛星より誕生為さざりし故均衡上の不安定なる状態が続きたる故なり.即ち地球の質量に比較し,一つの衛星の質量大なる故なり.小なる衛星二つなれば最も好条件なり.なれど是,様々なる条件有りて意義深きなり.
 扨て地球は約5千万年の昔,気候温暖にして果実撓わに稔りて宛然*1楽園なりしなり.依りて最初に棲む人々を太陽系内外の優良星より募りて住まわせしなり.彼等は幾百年間も此の楽園の暮らしを続けしが,軈て未だ地殻に不安定なる諸条件在るを発見し,止むなく彼等は一部の残留希望者を残して夫々元の星へ引き揚げしなり.
 光陰移り過ぎ約4千万年の後,地球は再び人類の生存に適したる安定期に入りたれば,親星なる太陽より盛んに生命波動を送られしなり.動物達は此の間非常に進化し,高等なる動物も未開人類も現われしなり.
 其の頃,太陽系内外の優良星界に於ては,大神様の法則に従わざる少数の厄介者の始末に当惑せしなり.軈て各々優良星界の長老達集い,其の合議に依り,其の厄介者達を地球に移し自活為さしめて反省の機会を与えられしめんと決し,12の星々より彼等厄介者達を次々と地球地上に移住為さしめしものなり.
 彼等には「洗心」を命じ,新しく自活の道を与え,少人数なる共同生活を通じ,労働の喜びや協調心の必要性や万物に対する感謝の必要なる意義を開悟させんが為,工業手段等一切与えず出発為さしめしなり*2.
 軈て彼等は農耕牧畜等,夫々が母国にて習得せし技術を生かし,稔り多き生活を営むよう相成りたり.斯くして少人数なる単位の村落此処彼処に点在し,いと平和なる暮しを続けしなり*3.
 然れど彼等は「無の心」になるべく修行を怠りしが故に,其の幾百年の後に再び我と慢心を現わす者達生じ,部族間抗争絶えざる様相成りたり.是等慢心の者達の主張為す処は「吾が種族こそは最も文明高き星より来たれり」と,たわいも無きことを誇示せんがため争いしなり.其の幾千年の後,彼等の或る集団は国家社会を造りて繁栄し,別の集団は抗争を忌避して僻地に移り小部落を為して清貧に暮せり.
 其の頃より地球圏に,人間の霊魂の住む四次元の霊界が発生し,当初は地上人間の霊魂が再び肉体に転生する間の仮の宿としての単純なる霊界なりしなるが,国家社会を造りし者達の霊魂が霊界に移り住むよう成りし頃より霊界は乱れ,其の社会機構の複雑化に応ぜし人間精神の複雑性を顕わし,今日の霊界の原形とも言うべく上下の段階と複雑なる様相を形成せり.(続く)


*1 えんぜん → さながら
*2 これは現代に生きる我々に対しての教えでもある.(縁信氏)
*3 少人数の共同生活はいい.一人一人大事な役割が与えられるから.これに対し大都会ではダニのような生活をしているのが実に多い.(縁信氏)

<解説> (Shinmoedake2011による)
・太陽系の第3惑星であるお前ら(我々)の地球地上に初めて人類が降り立ったのは,今を去ること5千万年前の大昔である.
・これは太陽系の全惑星の中では最も若い星である.
・この若い星というのは,人類の棲息に適した諸条件が整うまでの年月の遅さを言っている.
・その遅延した理由は地球生成期に一つの衛星から誕生しなかったから,均衡上の不安定な状態が続いたからである.
・即ち,地球の質量に比べて,一つの衛星の質量が大きいからである.
・小さい衛星二つであれば最も好条件である.
・しかし,これは様々な条件が有って意義深いのである.
・地球は約5千万年前の昔,気候が温暖で果実が撓わに稔り,まるで楽園の如きものであった.
・したがって,最初に棲む人々を太陽系内外の優良星から募って住まわせたのである.
・彼等は数百年間もこの楽園の暮らしを続けたが,やがて未だ地殻に不安定な諸条件が在るのを発見し,止むなく彼等は一部の残留希望者を残して夫々元の星へ引き揚げたのである.
・多くの時間が過ぎて,それから約4千万年の後,地球は再び人類の生存に適した安定期に入ったので,親星である太陽から盛んに生命波動を送られたのである.
・動物達はこの間に非常に進化し,高等な動物も未開人類も現われて来た.
・その頃,太陽系内外の優良星界においては,大神様の法則に従わない少数の厄介者の始末に当惑していた.
・やがて,各々優良星界の長老達が集まり,その合議によって,その厄介者達をUFOで地球に移して自活させ,反省の機会を与えようと決めた.
・12の星々から彼等厄介者達を次々と地球地上に移住させたのである.
・彼等には「洗心」を命じ,新しく自活の道を与え,少人数の共同生活を通じて,労働の喜びや協調心の必要性や万物に対する感謝が必要であるという意義を理解させる為に,工業手段等は一切与えずに出発させたのである.
・やがて,彼等は農耕牧畜等,夫々が母国で習得して来た技術を生かして,稔り多い生活を営むように互いに成って来た.
・こうして少人数の単位の村落があちこちに点在し,凄く平和な暮しを続けたのである.
・しかし,彼等は「無の心」になる為の修行を怠ったが故に,その数百年の後に再び「我欲」と「慢心」を現わす者達が生じて来た.
・そして,部族間の抗争が絶えない様相を呈して来た.
・これら慢心の者達の主張する処は「私の種族こそが最も優れた文明の星から来たのだ」という,たわいも無いことを誇示した所為で争いとなった.
・その数千年の後,彼等のある集団は国家社会を造って繁栄し,別の集団は抗争を忌避して僻地に移り住んで小部落をつくって清貧に暮したのである.
・その頃から地球上空大気圏に,人間の霊魂の住む四次元の霊界が発生した.
・当初は地上人間の霊魂が再び肉体に転生する間の仮の宿としての単純な霊界であった.
・しかし,国家社会を造った者達の霊魂が霊界に移り住むよう成った頃から霊界は乱れて来て,その社会機構の複雑化に応じた人間精神の複雑性を顕わし,今日の霊界の原形とも言うべく上下の段階と複雑な様相を形成して来たのである.

 今回の御神示では5000万年前の地球の様子から語られた.「真 地球の歴史」によると,5000万年前と言えば,FIDA(惑星連合)に所属していた1億2000万年前の大繁栄の文明が滅び,既に5000万年以上が経過しており,地球は全くの更地であったということだろう.御神示でFIDAが語られないのは,おそらく現代に生きる地球人類の自惚れを懸念してのことだろう.1億2000万年前に地球に起こった文明でその人類がこの太陽系内外でも指導的立場で大活躍していたという事実は本当に存在するに違いない.だが,それは今地球地上に生きる不良人間がこの不良文明を生きて行く上であまりにも次元が違い過ぎて何の参考にもならないのである.どころか,自惚れが出て精神的高揚が図れず障害になると判断されたのだろう.取次の神は実に思慮深い.以前,天孫降臨の話題のときにも私はこのようなことを述べた.

 

 

DSが仕組んだ学校教育では1億2000万年前といえば恐竜が跳梁跋扈していた時代とされてしまっている.まさか,真実はその時代に地球人類は優良星界の仲間入りを果たし,EVHAの文化を築いていたとは,現代地球に生きる多くの不良人間は信じないだろう.
 また,「12の星々から地球に来訪して来たといった」文脈は,ユダヤ渡来説の「イスラエルからユダヤ12氏族が極東日本を求めて旅をして来た」というふうな日ユ同祖論とやや似ている.つまり,日ユ同祖論を提唱する邪な連中は12の星々からの来訪という真実を覆い隠そうと躍起なっていることを意味しているのではないか?日ユ同祖論の胡散臭さについては以前話題にした.

 

 

 最後に,今から1千万年前に複雑な霊界が造られ始めたというのは実に面白い.不良文明を築いているからこそ,霊界も上下あって複雑になるということなのである.優良星に昇格すれば霊界には悍ましい地獄など存在し得ず,単純なものに様変わりするのだろう.

引用
1) 城戸 縁信:「地球人類の起源」,宇宙の理,No.127,ザ・コスモロジー,(1983).