久しぶりに本屋にいった。
本屋に行くと、新刊をチェックしたあと、創元推理文庫の棚へ向かう。
そこで平置きされておすすめされていたり、おもしろそうだと心惹かれた文庫本をチェックして、図書館へGO!
無料で読める図書館って本当に素晴らしい。
森谷明子『れんげ野原のまんなかで』
すすき野原のど真ん中に立つ、のどかな秋葉図書館で働く司書の文子。
図書館を訪れる人々のもたらすささやかな日常の謎。
それぞれの短編のタイトルが二十四節気で、素敵。
”本屋が舞台のミステリ”、といえば最近では大崎梢が思い浮かぶが、”図書館が舞台のミステリ”、も本好きにとってはたまらない。
とっても良いミステリだった!
やっぱり私はミステリが好きなんだ。謎があって、それをとりまくストーリーがあって、鮮やかな謎解きがあるもの、それがいちばん読んでいて心地いい本。
続編があるのが嬉しくて、続けて読む。
森谷明子『花野に眠る』
気にいったミステリの続編って、ものすごく嬉しい。
前作からのおなじみの登場人物に加えて、図書館の隣の山から白骨が発見され・・となかなか大きな事件から始まる。
魅力的なミステリ、素敵な話、素敵なラストだった。
ところで、前作の初版発行から9年経って、この本が出版されたらしい。
よくぞ書いてくれた!
西條奈加『金春屋ゴメス』
日本ファンタジーノベル大賞受賞作。
日本ファンタジー大賞といえば、森美登美彦が受賞していたり、恩田陸の『六番目の小夜子』が最終候補に残った賞だなーと思い出して、気になって。
江戸が舞台の時代小説…かと思えば、近未来の日本の中に誕生した、「江戸国」が舞台。なるほど、ファンタジー。
鎖国状態の「江戸国」に入国を許された大学生の辰二郎が主人公。
そこで繰り広げられる奇想天外なストーリー。
時代物読み慣れてないからかもしれないけど、ちょこちょこわからない職業とかあったり、登場人物の名前がこんがらかって、区別がつかなかったりした。あれ、この人誰だっけ…と思う事が多々。
まぁあまり気にせずに、どんどん読めたけれど。
すごい話だった。いろんな意味で。
妙に残ってしまう話で、話の断片を、ふと、なんでもないときに思い出しそうな感じがする。
ゴメス。。
近藤史恵『胡蝶殺し』
近藤史恵は、あまり好きじゃないタイプの話もあるけれど、……やっぱり好きだ。
私が読みたいと思っている方向性とぴったり沿う、というか。
ということで、読まず嫌いしていた近藤作品本を読んでいこう、と借りることに。
胡蝶といえば、”胡蝶の夢”。
蝶になってひらひら跳んでいる夢を見て、目が覚めたが、はたして自分は蝶になった夢をみていたのか、それとも今の自分は蝶が見ている夢なのか…、という説話。
殺し、といタイトルと、表紙を見る限り子どもが関わっている話なのと、梨園が舞台、というので読まず嫌いしていた本。子どもが関わるどろどろした話だったら重たいなぁ…と。
軽やかではないけれど、どろどろとは違うかった。
どうなるんろう…とずっとわくわくどきどきを持続させたまま、最後まで読ませる。さすが近藤作品。
梨園ということで、歌舞伎もなにもさっぱりわからない私でもわかるのかなーと思っていたが、わからなくても全然問題なし、おもしろかった。
ストーリー自体は、梨園だからこそ…というより、普遍的なテーマを扱っていて、そうかー、そういうことかーと。
人それぞれ、大事にしたいものは違うよね。
近藤史恵『昨日の海は』
舞台が四国の海辺の小さな町、ということでなんだかシンパシー。
光介の家に、伯母と従姉妹が引っ越してくるところから始まる。伯母は、自分の父母、(つまり光介の祖父母)が何故心中したのかを調べていて、光介も自ら調べ始める。
祖父母は心中ということになっているが、どうやら、どちらかがどちらかを殺害し、そして一緒に海に入っていったらしい…。
これはアガサ・クリスティのあの名作、『象は忘れない』を髣髴とさせるよね!
こういう”回想の殺人”ミステリ、めっちゃ好き。
おもしろく読んだ。
でも、うわー、そうだったのかー!という意外な謎解きには至らなかったかな。
読んでいる間は、とても楽しかった。
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