日本の「ブラック企業」の原因は、「とある国」が滅んだ原因に似ている。 | スウィート・ウォーター

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(ただし、総帥はちゃらんぽらんですw)

今回のブログでは、「ニコニコ大百科」の記事から、

「ソ連の崩壊はなぜ起きたか?」より文章を引用して、現代日本の「ブラック企業」について解説します。

 

●出典 「ソ連とは」――

 

http://dic.nicovideo.jp/a/%E3%82%BD%E9%80%A3

 

では何故そんな思想を持ったソ連が崩壊したか?

 

その理由については複合的なものであり、決して単純且つ単一の事象によって崩壊したものでもない。

 

そのソ連崩壊の原因となったのは、紛れもなく経済・官僚体制・政治・軍事といった複合的なものであり、以下の例があげられる。

 

(1) 生産量重視によ需要供給の崩壊

(2) 管理体制の不徹底

(3) 経済体制の複合化

(4) 官僚体制の硬直化

 

これらを順を追って説明していくとするならば、以下のようになる。

 

例えば、あなたがソ連に住む小麦農園の主だとしよう。農業監督官の官僚から「(1) 目標生産量を達成しろ」とのお達しがくる。

 

あなたは必死で働いたとして、何とか目標生産量を達成したとしよう。ここであなたの仕事は終わる。

 

そして、今度は小麦輸送監督官の官僚がやって来るや否や、「(2) 同志の小麦が腐っていると市場監督官同志から苦情が来ている」と言われてしまう。

 

そう、あなたの担当する仕事はあくまで小麦の生産なのであり、他の同志たちが担当する「(3) 小麦の品質管理や市場までの輸送については一切考えていなかった」。ただ、あなたは間違いなく言われた通りに仕事をし、自分自身の「ノルマ」は達成しているわけである。

 

となると、悪いのは一体誰なのか?

 

こうなると、自分の仕事でないのだから関係ない、と思う人の方が多いはずである。なぜなら、言われた仕事はきちんとこなしている筈なのだから。

 

そして、一方でこうした言葉を言い掛かりのように思えてきてしまい、見えない溝がお互いに出来始めてしまう。

 

こうした事が積み重なると、数字では目標を達成している筈なのに、末端や市場には中々製品が出回らない状態になってしまうまでか、品質面・管理面はどんどんと杜撰になっていく。

 

揚句には品質の向上といったものも無く、ただ旧来の物を生産し続けるだけになる。

 

それはまるで、活況の無いコンビニのバイトが粛々とマニュアル的接客サービスで機械的に販売作業に従事しているように「ただ仕事しているだけ」であって、自分から何かをするわけでなく、気が付けば自分の考えといったものが全く無くなっていく。

 

というのも、上から与えられた指示に「自分の考えたやり方」を差し挟む余地が無く、しかも下手打って大きな失敗してしまえばシベリア送り等のあらゆる致命的な制裁を受ける可能性が高いからである。

 

何しろ、管理者の背後には常に国民に監視の目を光らせ生殺与奪の権利を掌握する強権な警察国家が控えているのだから。もちろん社会主義体制そのものに対する反対意見などご法度である。

 

そうなると、「(4) 担当部署が異なる官僚同士でも、互いのノルマ達成のことしか頭になくなってしまい、頑迷な縦割り意識で敵対心を抱くようになる。また、現実的な問題に対処しようとしなくなる」。

 

つまり、リスクを確実かつ効率よく回避して生き延びるのは勿論のこと、それを免罪符として逆にこの状況を利用し少しでも利鞘を稼ぐ為、様々な形態での賄賂、帳簿や報告書の改竄、失敗や不祥事の隠蔽、対立する部署への讒訴などの不正が横行していった。これにより社会の縦割り構造はより一層硬直の度を深め、経済はますます逼迫することになる。

 

こうした社会経済の度重なる悪循環、管理破綻によりやせ細っていく広大な農場、国民を養うだけの食料を自活できない為の食料品輸入による債務超過、更には東西冷戦による度重なる軍事増強で、ソ連は疲弊していった。当然、共産主義のお題目であった「労働時間に応じた平等な分配」なぞは幾らマジメに考えても実現しようのない所まで行きついており、もはや画に描いたピロシキですらなくなっていたのである。

 

そしてついに、この現状を憂えたある男が状況を打開すべく改革を訴えたのだ。彼の名はミハイル・セルゲーエヴィチ・ゴルバチョフ。老指導者チェルネンコの急逝を受け54歳の若さで就任した、ソビエト連邦第8代書記長である。

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※ここからがようやく本題です。

 

では何故、現代日本で、ブラック企業の問題が発生したのか?

 

その理由については複合的なものであり、決して単純且つ単一の事象によって崩壊したものでもない。

 

そのブラック企業の原因となったのは、紛れもなく経営・人事・労働問題といった複合的なものであり、以下の例があげられる。

 

(1) 「休まずに働く事が美徳」と考える日本の労働事情

(2) 中間管理職が抱える問題

(3) 経営体制の複合化

(4) 人事管理の硬直化

 

 

これらを順を追って説明していくとするならば、以下のようになる。

 

例えば、あなたがブラック企業の社員だとしよう。直属の上司から「(1) 会社では、長時間働く人間を評価するから、休まずに働け」とのお達しがくる。

 

 

あなたは必死で働いたとして、何とか労働時間を達成したとしよう。ここであなたの仕事は終わる。

 

そして、今度は人事・経理部門の上司がやって来るや否や――

 

「(2) 残業時間が長すぎて、残業代が会社の経営を圧迫している。

  また、『労働基準法を守っていない』と、労働基準監督署から苦情が来ている。

  ネット上でも、『この会社はブラック企業だ』・『作業効率が悪すぎて、経営者が無能』とたたかれているので、何とかしろ」と言われてしまう。

 


そう、あなたの担当する仕事はあくまで『直属の上司に従って、休まずに働くこと』であり、
他の上司たちが担当する「(3)労働基準法を守ることや、仕事の作業効率を上げる事ついては一切考えていなかった」

 

ただ、あなたは間違いなく言われた通りに仕事をし、自分自身の「ノルマ」は達成しているわけである。

 

となると、悪いのは一体誰なのか?

 

こうなると、『自分の仕事でないのだから関係ない』と思う人の方が多いはずである。

なぜなら、言われた仕事はきちんとこなしている筈なのだから。

 

そして、一方でこうした『真っ当な批判』の言葉が言い掛かりのように思えてきてしまい、社内でも社外でもお互いに見えない溝が出来始めてしまう。

 

こうした事が積み重なると、数字では目標を達成している筈なのに、顧客には中々製品が出回らない状態になってしまうまでか、品質面・管理面はどんどんと杜撰になっていく。

 

 

揚句には『品質の向上』・『サービスの改善』・『作業効率の短縮』といったものも無く、ただ『先輩・上司に言われた指示』を繰り返し続けるだけになる。

 

それはまるで、『活況の無いコンビニのバイト』が、粛々とマニュアル的接客サービスで機械的に販売作業に従事しているように「ただ仕事をしているだけ」であって、

 

自分から何かをするわけでなく、気が付けば自分の考えといったものが全く無くなっていく。

 

というのも、上から与えられた指示に「自分の考えたやり方」を差し挟む余地が無く、(上司に対して提案すると、『上司・先輩への悪口』と言われてしまう)

 

しかも、下手を打って大きな失敗してしまえば、体罰・法外な罰金・パワハラ・セクハラ・アルハラ・不当な解雇等、致命的な制裁を受ける可能性が高いからである。

 

 

何しろ、管理者の背後には、常に社員に監視の目を光らせ、生殺与奪の権利を掌握する強権なワンマン社長(体育会系出身に多い)が控えているのだから。

 

もちろん会社の経営方針そのものに対する反対意見など、ご法度である。

 

そうなると、「(4) 担当部署が異なる社員同士でも、互いのノルマ達成のことしか頭になくなってしまい、頑迷な縦割り意識で敵対心を抱くようになる。また、現実的な問題に対処しようとしなくなる

 

 

つまり、リスクを確実かつ効率よく回避して生き延びるのは勿論のこと、それを免罪符として逆にこの状況を利用し少しでも利鞘を稼ぐ為――

 

・無能な上司へのゴマスリ・接待・賄賂、会社の金の横領、
・公共事業における談合、
・帳簿や報告書の改竄、
・失敗や不祥事の隠蔽、
・『休日出勤』・『サービス残業』の名目で行われる違法な労働ルール、
・対立する部署への讒訴など――

 

 

様々な不正が横行していった。これにより会社の縦割り構造は一層硬直の度を深め、経営はますます逼迫することになる。

 

こうした会社経営の度重なる悪循環と、管理破綻によりやせ細っていく労働者たち、(うつ病、過労死、自殺など

 

社員が家族を養うだけの給料を支給できない低賃金、(『非正規雇用』・『結婚できない若者』・『過剰なリストラと、現場での人手不足』

 

 

また、これらの被害を受けた社員たちに対して、『非正規雇用の問題は、社員の自己責任』の一言で放り出すなど、きわめて無責任な経営方針を積極的に推進していった『経団連』など。

 

更には、バブル時期に失敗した過剰なマネーゲームで、大損害を受けた赤字を『社員のリストラ・賃金カットで穴埋めする』など、これまた、きわめて無責任な経営方針を採用したバブル崩壊当時の経営陣が誤った判断を下したなど・・・。

 

 

経団連 とは 「アンサイクロペディア」より

 

度重なる経営の失敗で、日本の企業と労働者は疲弊していった。

 

当然、『日本式・家族的経営』のお題目であった「終身雇用制・労使協調」なぞは、幾らマジメに考えても実現しようのない所まで行きついており、もはや画に描いた餅ですらなくなっていたのである。

 

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以上、長々と書いてきたが、結論は一つ。

 

現在の日本は、崩壊前の旧ソ連みたいな状態になりつつある、ということ。

 

さて、国民は、「改革(ペレストロイカ)」と、「情報公開(グラスノシチ)」が必要な状況になってるわけだが・・・・・・おや、こんな時間に誰だろうか?