背筋に冷や汗が

流れ落ちるのを感じるような

絶体絶命の時、

 

心の中に

非常事態のサイレンが鳴り響き、

心がぐらぐら揺れ動く時、

 

希望の光も、やすらぎの灯火も

全く見えなくなりそうな時、

 

 

そんな時でも、

 

周囲を和ませるような

ユーモアを発揮できる人、

 

人を一瞬ポカンとさせて、

その後、大爆笑させるような、

気の利いたジョークの

一つでも言える人、

 

 

自分のおかれた環境や

自分の感情に支配されず、

 

どこか自分自身を遠くから

見つめる感じで、

心に余裕をもって人を

笑わすことのできる人、

 

かっこいいですよね。

 

 

ドイツの叙情詩人

オットー・ジュリアス・ビールバウム

は言ったそうです。

 

 

"Humor ist, wenn man trotzdem lacht."

「ユーモアとは、にもかかわらず笑うこと」

 

 

どんな状況でも、

たとえ自分は苦しんでいたとしても、

 

だとしても

それにもかかわらず、

 

相手に対する思いやりとして

笑うこと。

 

相手を少しでも和ませる言葉を

投げかけること。

 

そこに、

人としての勇気と強さも

また存在するもの。

 

それこそが真のユーモアである

 

 

ということを

意味する言葉だそうです。

 

 

ユーモアといえば、

 

1985年に公開された

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」

という映画の中で、

 

当時の世相を風刺した

とてもユーモラスなシーンが

ありました。

 

 

次から次のピンチの連続の中で、

驚いたりあわてたりしながらも

 

にもかかわらず、

 

笑顔とユーモアを忘れずに

行動していた登場人物たちが

印象的な映画でしたが、

 

 

私たちも

自分の人生というドラマの中で、

 

どんな危機に陥っても、

心に冷や汗を流しながらでも、

 

ニヤリと笑って

ジョークの一つも言える主人公

 

でありたいですよね。

 

【映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」より】

 

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ロナルド・レーガン

 

1981年1月から1989年1月

にかけての任期を務めた、

第40代アメリカ大統領です。

 

政治家になる前は

ラジオアナウンサーや

俳優をしていたという

特異なキャリアを持つ彼は、

 

当時のソ連との冷戦の最中で

「強いアメリカ」

を印象づけた大統領でした。

 

 

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"Don’t be afraid to see what you see."

 

「事実から目をそむけるな」

(ロナルド・レーガン)

 

 

目の前の敵と戦い続けること、

それは、

 

困難に立ち向かう勇気と

闘志を保つ心の強さ

 

を要求されることですよね。

 

 

それでも

 

"There are no constraints on the human mind,

no walls around the human spirit,

no barriers to our progress except those we ourselves erect."

 

「人の心には何の制約もなく、

人の精神の周囲に壁はなく、

自分自身で造ったものを除き、

私たちの進歩を妨げる障害は何もない」

 

 

自分は事実から目を背けない。

自分は進み続ける。

妨げるものは何もない。

 

そして

自分は必ず勝つ。

 

 

彼のその信念が

 

長くそして危険であった

冷戦での勝利という歴史的快挙に

アメリカを導いたのでしょう。

 

 

"That what is right will always eventually triumph.

And there’s purpose and worth to each and every life."

 

「最終的には正しいことが

常に勝利する。

そして、

あらゆる人生それぞれに

目的と価値があるものだ」

 

 

力強く、有無を言わせず

人に納得させるエネルギーを持った

言葉ですよね。

 

だけど

よくこの言葉を聞いてみると

 

「そして」

 

の言葉の前と後で

言葉の趣旨はつながっていませんね。

 

 

「あらゆる人生それぞれに

目的と価値があるものだ」

 

といわれたら人は納得するものであり、

この言葉とのセットでその前の

 

「最終的には正しいことが常に勝利する」

 

という言葉と、

 

 

さらにその裏側にある

 

「自分たちは正しい。

だから自分たちは勝利する」

 

という意味合いまでも、

人の心にいつの間にか印象づける。

 

 

そんな言葉の力を駆使して

大統領として国民の心に

勇気と強さを植え付けていく

 

という狙いが

あったのかもしれませんし、

 

 

勇気と強さを

手に入れられるのなら、

 

私たちも

彼のこの言葉のマジックに、

乗っていいのかもしれませんね。

 

【1983年 来日時のロナルド・レーガンと昭和天皇】

 

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"I have all the qualities as 

President of the United States of America.

 

Firstly outstanding memory power.

Secondly … Well, what else was it?"

 

 

「私はアメリカ大統領としての

全ての資質を備えている。

 

第一に抜群の記憶力。

第二に・・・えーっと、何だったかな?」

 

 

自らが「全ての資質」の一番目

としてあげた記憶力があやふやで

 

その後の資質は

もう思い当たらない???

 

「無いんかい!!」

 

と突っ込みを入れたくなるこの言葉、

 

 

もちろん彼一流のジョークだそうですが、

 

レーガンはそのユーモアのセンスでも

知られており、

多くのスピーチライターや専門家たちが

 

最もユーモアに長けた大統領として

あげていると言われています。

 

 

政界のライバルたちについても、

 

日本の政治家のように相手に対して

罵詈雑言を並び立てる代わりに

 

"The best minds are not in government.

If any were, business would steal them away.

 

「政界にはロクな者がいません。

もしいたら、会社がとっくに雇ってますよ」

 

 

こんな表現をした彼は、

自分自身の命の危機においてさえも

 

ジョークを言って

ニヤリと笑ったそうです。

 

 

1981年3月30日

後の世に言う

レーガン大統領暗殺未遂事件

でのことです。

 

 

犯人に銃弾で胸を撃たれ、

瀕死の状態で搬送された先の病院で

 

彼は妻にこう声をかけました。

 

 

"Honey, I forgot to duck."

 

「ハニー、(銃弾を)避けるのを忘れちゃったよ」

 

これは1926年の

ボクシング・ヘビー級選手権で

ジャック・デンプシーが

敗戦後に妻に語った言葉を

引用したものだそうです。

 

 

そして執刀医に対しては

こう述べたそうです。

 

"I hope you are all Republicans."

 

「あなた方みんなが、

共和党員だといいのですが」

 

 

ご存じの通り

アメリカは二大政党制であり、

レーガンは共和党の議員でした。

 

 

これに対して執刀医は

 

"Today, Mr. President, we are all Republicans !"

 

「大統領!

今日、我々はみんな共和党員です!」

 

と答えたそうですが、

その執刀医は実際は

民主党の支持者だったとか・・・。

 

 

その後、

ケガから回復後の演説中に

レーガンの横にあった

飾り付けの風船が破裂するという

アクシデントがありました。

 

「また銃撃か!?」

 

周囲はヒヤリとした雰囲気になったものの、

 

 

"missed me."

 

「はずしたぞ」

 

 

とレーガンは平然と語り

聴衆を大いにわかせました。

 

【そのシーンの動画です】

 

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"Life is a fight with myself. There is nothing else."

 

「人生は自分自身との闘いだ。

他に何もない」

 

そう語り、

 

目の前の現実を直視しながら

戦い続ける勇気と強さ、

 

 

そしてどんな状況でも、

たとえ自分は苦しんでいたとしても、

 

相手に対する思いやりとして笑い、

 

相手を少しでも和ませる言葉を

投げかけることのできる

ユーモア。

 

 

レーガンのそんな人柄、

 

私たちも見習い、

取り入れていきたいものですね。

 

 

"There are no great limits to growth,

because there are no limits of human intelligence, imagination, and wonder."

 

「成長に限界はない。

人間の知性、想像力、

そして奇跡に限界はないのだから」

(ロナルド・レーガン)

 

 

(今回のブログは2020年4月22日に公開した内容を加筆修正したものです)

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Pray to be stronger !! / ジョン・F・ケネディーの世界

 

塞翁が馬とNever Give Up !! / ウィンストン・チャーチルの世界

 

自分の力で未来を作れ! / 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の世界

 

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ここからアクセス!/過去の名言集記事 (# 271~# 280)

 

 

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1985年に公開された映画

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」

のお話しに戻りますが、

 

この中にこんなシーンがありました。

 

 

1985年に生きていた主人公は、

 

とある事件に巻き込まれ、

友人の科学者が開発した

タイムマシンで

30年前の1955年にタイムスリップ。

 

たった一人で過去の世界に

放り出され途方に暮れながらも

「なんとかしなければ」と、

 

1955年時点の科学者を尋ね

未来に帰るための協力を

依頼したところ、

 

主人公が未来から来たことを

信じられない

(普通、誰でもそうですよね)

 

30年後の見てくれとそれほど変らない

30年前の科学者はこう述べます。

 

 

「君が未来から来たことを証明してほしい」

 

これに対し主人公は、

 

「1985年のアメリカ大統領は

ロナルド・レーガンだ!!」

 

と答えました。

 

 

その瞬間、

映画館が爆笑に包まれたことを

私は今でも記憶しています。

 

 

1955年時点では

一俳優にすぎなかった

ロナルド・レーガンが

30年後にアメリカの大統領になっている。

 

過去の人間が知ったら

ジョークにしか聞こえないことが

今、現実に起こっている。

 

 

映画の中で、

そんなジョークのネタにされた

当時のレーガン大統領は、

 

1986年2月4日

国会における一般教書演説で、

この映画のラストシーンで

語られる台詞を引用し、

 

 

" As they said in the film "Back to the Future", 

Where we're going, we don't need roads."

 

「映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』

でも言っていたように、

我々の行く先に

道は必要ないのです」

 

と述べたそうです。

 

 

私たちも

 

「自分の行く先にも道はいらない。

道は自分で創るものだからね」

 

そう口に出して、ニヤリと笑って、

今この時を乗り越えて

いきたいですよね。

 

【俳優時代のロナルド・レーガン】