見上げた夜空に
音もなく静かに輝く
幾百、幾千、幾万の星たち。
悠久の時の流れの中
星たちは、私たち人間の
歓喜と希望に満ちあふれた
幸運の時も、
冷たく重く心を締め付けた
不運の時も、
空からじっと見つめてきました。
そんな、
夜空の無数の星たちの中で、
月を除いて最も明るく見える星は
どの星か、ご存じですか?
恒星の中で最も明るく見える星は、
おおいぬ座のシリウスで1.5等級と
言われていますが、
全天の中で最も明るく見える星は、
金星
だそうです。
太陽系での公転軌道が
地球より内側にある惑星のため
地球から見た天球上では、
太陽の近くに位置することが多く
「宵の明星」
と呼ばれる夕方の西の空、
または
「明けの明星」
と呼ばれる明け方の東の空、
にしか見えない金星ですが、
その明るさは、最大で-5等級近くとなり
シリウスの約10倍の明るさとなります。
愛と美の女神ヴィーナス
の名を持つ金星は、
太陽系内で大きさと平均密度が
もっとも地球に似た惑星であり、
「地球の姉妹惑星」
あるいは
「地球の双子星」
と言われるそうです。
ただし双子星といえども、
金星は私たち人類からみたら、
とんでもない性質をもった
地球とはまるで違う環境の星のようです。
・・・と金星の話はさておき、
私たち人間の人生における
幸運と不運。
それは、
「禍福はあざなえる縄のごとし」
の言葉の通り、
まさに背中合わせの、
地球と金星のような
双子星なのかもしれませんね。
【三日月と宵の明星、金星】
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「どれほど不運であっても、
その中にまばゆく光る幸運を
ひとつ見つけよう。
たまたまそこにあっただけだとしても、
その幸運に着目するのだ。
正しい判断と選択をしたことで
必ず報われる」
(バルタザール・グラシアン)
「この世はうまくいかないことばかり」
・・・そう思うこと、
あなたにもあるのではないでしょうか。
不運に心を痛めた時、
たとえ目の前を
暗闇と感じていたとしても、
そこで目を閉じて
下を向いてしまったら、
希望の光はもう目に入りません。
暗闇でも星は輝いています。
どんな時でもそこにある、
希望の光に目を向けて
生きていきたいですよね。
胸をはって顔を上げれば、
きっとその目の中に
輝く星を映すことができる。
だから、その光に目を向けたことが
最高の判断。
そう言えるのでしょう。
そして
不運に見舞われた時、
私たちに要求されるもの。
それが勇気。
「勇気は必要な時に
はじめて発揮され、
緊急時には
普段想像もできないような
力が出せるものだ。
危機は名声を得るチャンス。
気高い人なら、
追い詰められた時こそ
無限の力を発揮する。
人は対決をへて
偉大になるのだ」
天は自ら助くる者を助く
といいます。
不運に見舞われた時こそ、
暗闇の中の光を見つめ前を向く。
勇気を振り絞り前を向いた時、
必ず乗り越えてみせると決めた時、
光に向かって歩き出した時、
その時、
その両手に力が宿り、
運命の歯車を逆転させる。
不運は幸運となり、
不可能は可能となる。
だから危機は名声を得るチャンス!!
そういうものかもしれませんね。
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(1601年~1658年)
彼は教育的・哲学的な散文を数多く残した
スペインの哲学者、神学者、イエズス会司祭です。
グラシアンの著作のドイツ語訳を手がけた
神学者アルトゥール・ショーペンハウエルは
「人生のよき手引き書である」
という言葉を残し、
哲学者フリードリッヒ・ニーチェは
彼の作品を
「ヨーロッパはいまだかつて、
これほど精妙にして複雑な
人生の道徳律を生んだことはなかった」
と評しています。
そして彼の著書
「賢く生きる知恵」
は今日でも欧米でマキャベリの
「君主論」
と並ぶ名著として読み継がれているそうです。
【バルタザール・グラシアン】
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「災いは決して単独ではなく、
集団でやってくるものだ。
喜びも運不運も同じこと。
似たもの同士引かれ合うのだ。
一度うまくいかないと、
悪いことはさらに起こる。
不運を呼び込まないようにしよう。
一度呼び込むと
少しのつまづきではすまず、
完全に打ちのめされるまで続く。
よいことは最後まで
ずっといてくれないが、
悪いことはいつまでも
終わらないように思える。
不運が天から降ってきたら、
辛抱強く好転するのを待とう。
この世に原因がある不運なら、
知恵を絞って立ち向かおう」
よく言いますね。
宿命と運命は違うもの。
宿命とは自分の力では
どうしようもないもの。
例えば、
この時代、この時、この場所に
生まれたこと等、
自分が背負っている
逆立ちしても変えようのないもの。
今、目の前にある事実を見きわめ、
それが宿命に関わるような
どうしようもない不運なら、
下手に動かずに、
何もせずじっと黙って
時が過ぎるのを待つこと。
「自然に落ち着くのを待とう。
つまり、神に任せるのだ。
泥で濁った池も、
そっとしておけば澄んでくる。
混乱が続くような時に
取るべき最善策は、
自然に元どおりになるまで
放っておくことだ」
それもまた
勇気かもしれませんね。
それに対して、
運命は自分の力で
これからいかようにでも変えていける、
自分がこれから進む道。
だから、
それが自分の力で立ち向かい
好転させていくことのできるものなら
全力で立ち向かうべき。
大切なことは、
自分の前に立ち塞がった不運は、
全力で立ち向かうべきものか、
それとも
従うしかないものなのか、
その見きわめであり、
そのためには、
「何かをいつも考えるくせをつけよう。
無分別な人が手に負えないのは、
物事をあらゆる側面から
検討しないために
全体像が理解できないからだ。
理性的に考えることで、
状況は正しく判断できる」
そして、この
「状況を正しく判断する能力」
を人は知恵というのでしょう。
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「自ら運命を切り開いていく人になろう。
真価と勇気を発揮して、
望むものを手に入れよう。
よく考えれば、
チャンスに敏感でいること以外に
成功への道はないことがわかるはず。
知恵を備えていることが
最大の幸運であり、
それがないことは最大の不運だ」
人の世の幸運と不運は
背中合わせの双子星のようなもの。
そして
勇気と知恵もまた、私たちが
運命を切り開くために不可欠な
双子星なのかもしれません。
不運に負けず幸運を見つめ、
前に進む勇気と、
状況を正しく判断し、
チャンスをつかむための
知恵を持って、
今日も歩いて行きましょう。
自分のこの手で
運命を切り開いていきましょう!!
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地球の姉妹星、双子星と呼ばれる
ですが、
愛と美の女神ヴィーナスの名とは
あまりにもかけ離れた、
双子星の地球から見たら
考えられないような環境のようです。
例を挙げると
・気圧は地表で約92気圧。
(地球の地表は1気圧なので92倍の気圧。
地球の水深920mに相当)。
・地表での気温は約730K(約460℃)。
・太陽の周りを1周する公転周期 約224日。
これに対して自転周期は 約243日。
つまり地球で言えば、1年より1日の方が長い。
・太陽系の惑星で唯一、
公転と逆回転の方向に自転。つまり、
西から昇ったお日様が東に沈む。
(そんな歌がありましたね♪)
非常に興味深い、
だけど絶対に人類は生存できない環境。
それが地球の双子星、金星なのです。
【同縮尺の金星と地球】