他人からの見た目や、

他人の価値観に流されない

 

自分の生き方、在り方、

持っていたいですよね。

 

 

それらを深めるために、

あるいは、

それらを見つけるヒントとして、

 

他人から見た理想の人物の

イメージをつかんでおけば、

 

きっとあなたにも

得られるものはたくさんあり、

 

人はどう生きるべきか、

自分はどうあるべきか、

 

その方針も見えてくるかもしれません。

 

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子温而厲。威而不猛。恭而安。

「子は温にして厲(はげ)し。

威にして猛ならず。

恭(うやうや)しくして安し」

(孔子 「論語」 述而 第七-三七)

 

【現代語訳】

先生は温和でいて厳しさがあり、

威厳がありつつも猛々しくはなく、

礼儀正しい中にも安らかで、

窮屈なところは無い。

 

 

何事もバランスが大切。

 

何かに行きすぎることのないこと。

孔子はそれを

 

「中庸」

 

と呼び、

人が生きる上での徳目として

大切にしたそうです。

 

バランス感覚を取る。

 

簡単なようでいて、実は

「そうあろう」

と決めていないと

できないことかもしれませんね。

 

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子之燕居、申申如也、夭夭如也。

 

「子燕居(えんきょ)するや、

申申(しんしん)如(じょ)たり。

夭夭(ようよう)如(じょ)たり」

(孔子 「論語」 述而 第七-四)

 

【現代語訳】

先生が家でくつろいでおられる様子は、

のびのびとして、にこやかである。

 

 

四六時中、一部の隙もない堅物では、

自分も疲れるし、他人も疲れさせるもの。

 

オン・オフを切り替えて

オフの時間は、おだやかににこやかに。

 

これも孔子のバランス感覚の一つであり、

 

日頃厳しい人だからこそ、

時折見せるおだやかさ、にこやかさが

人を引き付ける。

 

そういうものかもしれませんね。

 

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郷人飮酒、杖者出斯出矣。

郷人儺、朝服而立於阼階。

「郷人(きょうじん)の飲酒には、

杖者(じょうじゃ)出(い)ずれば、

斯(ここ)に出(い)ず。

郷人の儺(おにやらい)には、

朝服して阼階(そかい)に立つ」

(孔子 「論語」 郷党 第十 - 一〇)

 

【現代語訳】

村人たちと酒を飲む時には、

杖をついた老人が退出してから退出された。

 

村人たちが悪鬼を追い払う儀式をする時は

礼装をして、東の階段

(客を迎える時に主人が立つ場所)

に立たれた。
 

 

孔子は「中庸」だけでなく、

 

「礼節」

 

もまた人が守るべき徳目として

大切にしたそうです。

 

 

相手がどんな身分であったとしても

老人を敬う心を忘れず、

 

どんな田舎の行事でも、

礼を尽くして参加する、

 

「礼節」の心は

 

他人からの敬意となって

自らにも返ってくる。

 

たしかにそういうものだと思えますね。

 

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孔子の弟子は3,000人いたといわれ、

 

2500年たった現在でも

「論語」を通し、

彼を慕う人たちが、世界中で

増え続けているそうです。

 

それは彼が学者として

優れていたからだけではなく、

 

その文章を通じて感じられる

彼の人柄、生き方、在り方

の魅力によるものなのでしょう。

 

 

何事にもいき過ぎない心のバランス、

他人を敬い大切に思う礼節の精神。

 

そういうものを取り入れながら

私たちも自分の生き方、在り方を

作り上げていきたいですね。

 

【孔子の生地 中国曲阜市の孔廟(孔子を祭祀する廟所)】

 

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知・仁・勇の心 / 「論語」の世界

 

貫いていくたった一つのこと /「論語」の世界 III

 

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