最近テレビや雑誌などで漢方薬や中医学についての情報に触れる機会が増えました。
新医学気功の創始者 楊峰先生も以前にご紹介の通り、中医師であり、多くの特許処方を持つ漢方医なので、講演やセミナーでも漢方のお話をされることがあります。
私はすっかり門外漢なのですが、話をうかがうたびに思うのは、漢方薬って料理に近いんだなということです。
西洋薬の場合は症状に対して、抽出や合成されたケミカルな有効成分が効果を表すという感じなのですが、漢方薬は天然のものを用いるので、その中の有効成分だけが効くというよりも、組み合わせも含めてトータルで病気と体質改善の両方に効く感じなんですよね。
薬剤が天然由来なので、当然その葉なり根なりの出来によっても性質が異なります。
今がおいしいイチゴはビタミンCが豊富な果物ですが、種類によっても、育て方や環境によっても、当然1個1個もそのビタミンC量は異なります。保存方法や食べ方によってもビタミンC量は異なりますね。味も違いますし。
例えば、漢方薬というと想像される人参ですが、産地でも、栽培(完全栽培・半天然)か天然かでも、年数や薬剤への加工過程でも、価値が変わっています。韓国料理のおつまみやスープの具材になるものなら100gで1000円くらいですが、山参や野山人参といわれる野生のものでは1本10g程度で500,000円くらいするものはよくあるそうです。
栽培種の白参(文字リンク先がオリジナル)
山野で栽培された野山参種(文字リンク先がオリジナル)
天然の山参(文字リンク先がオリジナル)
しかも漢方薬は通常2種類以上を組み合わせますから、事はさらに複雑になります。
ここでラーメンの登場です。普通にラーメンといえばスープには鶏と豚骨、昆布に煮干しを使いますね。かえしには醤油と塩と酒と葱と生姜を使うとしましょう。麺は小麦とかん水のシンプルなもの、メンマとチャーシューも用意しましょう。どっちもかえしで炊き込んであります。
同じ分量を同じ手順で同じ火力、同じ時間かけて調理したら同じ味ができるでしょうか?
料理を経験したことのある人ならNO!と答えるでしょう。腕もですが、素材の質に差があれば味は変わりますよね。
では、軍鶏の丸鶏とブランド豚の肉と骨と頭、羅臼昆布の高級品に青森の限定生産の焼き干しと全部を最高級の食材で調理をしたら最高のラーメンができるでしょうか?
これもNO!って人が多いと思います。
おいしさってバランスだよって叱られそうですね。
漢方も同じなのだそうです。効果を上げて副反応が出にくくする組み合わせ(薬剤の処方ではなく性質上の組み合わせ)や薬剤の加工方法もあるそうで、組み合わせも複雑なのだそうです。
ここまでは薬剤の話。利用する人の体質と病気の質と程度を考慮して同じ処方でも上記の組み合わせを変えるそうですし、そこにアレンジを加えるとなると本当に深い中医学と薬剤の知識が必要になります。また、中医学の理論と密接な気感も重要になってきます(気感に関しては利用する側も十分な気感があると効果はかなり上がります)。
よくある噂ですが、千葉にある某有名テーマパークのホテルのスイートルームに泊まると、シェフが専属で、好みや体調に応じた料理を出してくれるそうです。
中国系の薬膳の高級店では中医が脈診や舌診、望診などをして、食材や調理法を決めてくれるそうです。漢方薬を本格的に利用するとなるとこれとおんなじことが、病院と薬局で行われるわけです。食材に用いる薬剤よりも高価な材料をふんだんに使って!
だから、本格的な漢方は高価になるんですね。
また、よく「風邪に葛根湯」といわれますが(六邪についてはまたいつか書きます。たぶん)、漢方薬メーカーのページを見ると風邪薬としては「葛根湯」「麻黄湯」「小青竜湯」「「五虎湯」「銀翹散」「柴胡桂枝湯」などなどたくさんの薬が出てきます。びっくりするぐらいたくさんあります。自分の体質がわかって、症状が客観的につかめる場合、この薬を飲み分けるのがいいんです。単純に実(満ちる・出っ張る)と虚(不足する・へこむ)だけ見ても飲む薬は変わってくるので、市販薬を用いる場合でも、中医師や漢方の専門家に見立ててもらって服用すると効果が違ってきます。
市販薬のコマーシャルじゃないですが(綾瀬はるかさんかわいいですが…)風邪といっても症状はいろいろ。発熱一つとっても「熱い」のか「寒気がする」のかでは対応が異なるんです。
最近は健康保険も適用になったので、積極的に利用してみるのがいいと思います。
漢方を上手に使って健やかな春を迎えましょう!
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