酸素濃縮器の異常ランプが点灯するという事で北陸のお得意様のところへ伺った。福井の古いお付き合いの医院さま。幸いセンサーのエラーだけで性能に問題はなかったが併せて他の機器の保守を実施した。ここでは併設する老健施設での酸素吸入設備に6台の酸素濃縮器を購入し活用されている。もう10年のお付き合いになるので当時としてはかなり先進的な設備投資だったと思う。



こちらは今年追加購入いただいた酸素濃縮器。まだ積算時間は2000時間ほどだが内部フィルターを交換。

老健施設では高圧酸素ボンベを利用しているケースが目立つが、残量に常に気を配らなければならず、重くて大きな酸素ボンベを取り扱う事は職員にとって大きな負担となる。また使用頻度が高いほどコストも嵩む。やむを得ず酸素濃縮器をレンタルしている施設も少なくないが、酸素濃縮器のレンタル料は一般的に在宅酸素療法向けのサポートサービスが含まれるため施設で利用するにはコストが高く採算が合いにくい。

この医院さまでは、酸素濃縮器を必要に応じて買い足し現在6台が稼働している。また一時的に足りない時はレンタル契約で酸素濃縮器を利用されている。近年の酸素濃縮器は小型軽量化が進み、コマが付いているので女性職員でも容易に移動ができる。居室の移動はもちろん、リビングスペースや入浴時も機器を移動させて利用されている。四六時中酸素残量を気にする事もなく、取り扱いに危険性が無く、保管も容易なので現場からは非常に良い評判をいただいている。

ではコスト面ではどうだろう。

慢性呼吸疾患の患者さまが多いこの施設ではほぼ6台の酸素濃縮器は月間平均で約3000時間弱稼働している。設定流量が1リットル/分としても巨大な1500リットルボンベを100本以上消費することになる。仮に1500リットルボンベの重点単価が1,000円だとすれば月額10万円を超える他、5立米を越える高圧ガスの保管には高圧ガス保安法に定められた専用室が必要になる。また高圧酸素ボンベの場合、通常は完全に空になる前に新しいものと交換しなければならないからロスも少なくない。

では酸素濃縮器の場合はどうだろう。

こちらの医院さまでは、新古器や程度の良い中古機をうまく活用されており、酸素濃縮器にかかる月額コストは6台で3万円程度に抑えられている。これに定期保守点検と定期オーバーホールと最大10年製品保証が付くテクニカルサポートが18,000円(@3,000円×6台)、加えて電気代が1万円程度なので月額6万円(6台)程度で利用できていることになる。実際は既に減価償却が終わっているのでテクニカルサポート料と電気代くらいしかかかっていないが。

近年ではこのような理由で、老健施設で酸素濃縮器を活用されるケースが増えている。この施設では既に10年を越えた機器も元気に稼働しているので実際はもっとコストは抑えられているだろう。厚生労働省のガイドラインでは耐用年数(10年)を越える機器の販売、賃貸は禁じているが、これは業者が古い機器を使い続ける事を防ぐものであって、施設で利用しつづける事に関しては何の問題もない。

古い機器が元気に稼働してくれているのはとても嬉しい。普段から職員の方々が機器を綺麗に清掃し、外部フィルターを掃除してくれているので機器はみなすこぶる調子がいい。今回の保守点検では内部フィルターの交換と、コンプレッサーの振動が気になる数台のボルトを増し締めし、内部配館のホースなど緩みをチェックした。そして定期オーバーホールの時期を迎えた2台を持ち帰り、代替機を納品させていただいた。

さらに保守点検の報告の際、嬉しいことに入浴室様にと中古の酸素濃縮器を追加でご注文下さった。使用時間が短く傷みやすい入浴用の酸素濃縮器に中古を選択されるのは賢明な判断と逆に納得させられた。さすが10年もの間、活用されているだけの事はあるなと思った。

こうやって長い間ご利用いただくことはとても嬉しい。在宅酸素とは違って技術的なサポートだけなので原則半年ごとの訪問となるが、少しでも長く機器が稼働してくれるように、これからもしっかりと保守管理を行っていきたいと思う