昨日、入社一週間目のスタッフから辞表を受け取った。離職者を出すのは数年振りだ。
外資系、メーカー系事業責任者を経た有能な人材。あるご縁で紹介いただき、幹部としての採用となった。
退社の理由は、終末期医療の臨床に立ち会い、精神的に苦痛を感じたとの事。
そこまでは良い。福祉的な仕事には合う合わないがあるから致し方ない。しかしその後の言葉が心を突き刺した。
「他の社員の方も苦痛と思いますよ」
確かに終末期の臨床に立つのは楽しい仕事ではない。最近では夜中に緊急設置の依頼が入り、急いで駆け付けるケースが急増しているし、到着した時には既にお亡くなりになられている事も少なくない。
「結果が分かってるのに何で一生懸命やるのか?」
小さくないトラブル事案や、新規取引案件、納品段取りに加え、役所や金融機関の対応に追われ、精神的に一杯一杯になっているタイミングだった事もあり、一瞬たじろいた。
でも、次の瞬間、他の社員や、夜中でも往診に駆け付けるドクターや医療従事者の顔が脳裏に浮かんだ。
そして辞意を受理した後に付け加えた。
人がお亡くなりになるのは不可避な事。だからと言って、何もしない訳には行かない。結果が変わらないとしても最善を尽くす。それが我々医療従事者の使命なんだと。
時には患者様やご家族からキツく当たられる事もあるし、医師や看護師に怒鳴りつけられる事もある。でもそれは、精一杯だからであって、決して悪意がある訳でも、こちらに不備がある訳でもない。だから我々も精一杯やる。
結果は何も変わらないかもしれない。
でも精一杯やる。
そして後に機器の回収に伺い、焼香を炊く。
ご家族からは言葉に出なくても、必ず感謝と労いの意を受け取る。尊い仕事だと思う。