経営者の仕事とは。
様々な役割があるとは思うが、今は「組織作り」こそが経営者の仕事だと考えている。
そのために必要な事は人の長所に着目すること。
つまり、よほど問題が無い限り欠落要素には目を瞑る。
我々のような中小企業には、いわゆる優秀と呼ばれる人材はなかなか集まらない。
クラスの上位数名がレベルが高い学校に進級し、その中のまた数名が上に進む社会。
優秀な人間は大抵、医者や弁護士など資格職についているか、大企業に勤めているか、行政職員か、もしくは会社経営をやってるもので、中年期までに転職を繰り返す連中は少ないし、いてもうちの様な企業にはなかなか集まらない。
ぶった切った言い方になるが、勉強みたく必ず答えがある問題すら解けない、解こうとしないクラスの中流以下の子供が、大人になって急に自ら収支計画や問題提起をして、建設的に
努力を積み重ね、成果を出すなんて到底できやしない。そもそも成功体験が少ないから目標の掲げ方も努力基準もそれほど持ち合わせていない。
そんな世の中の多勢。野球で言えば打率一割のバッターで勝てるチームを作るのはそう簡単ではない。中小企業やベンチャー企業で優秀な番頭がいればかなり高い率で成功を得るというのは、優秀なピッチャーとキャッチャーが揃うからだろう。
だから、長所のみ着目する。
整理整頓ができない人に叱りつける前に出来ることをやらせてあげる。整理整頓はそれが得意な人がやればいいし、後からだってできる。野球みたく9人枠と決まってないから、一割バターを100人揃えても良いし、打撃しかできない人がいたって良い。それで組織を統率し採算を合わせるのが経営者の仕事だと思う。
先日、娘の学校から呼び出しを受けた。
中学3年生の多感な時期。クラス内では様々な問題が起こっているようだ。
2年生として27年振りに優勝した昨年の合唱コンクール。
固定クラスということもあり、連覇を狙って頑張る!と娘は息巻き、昨年同様毎朝5時かピアノ伴奏の練習をし、会社に来ては指示事項を書き込んだ楽譜をコピーして学校に持って行った。
ところが受験を控えた今年は少しクラスの空気が違っていた。クラス内で派閥ができ、練習をボイコットする子らも現れた。上がらないモチベーションと難易度が高い楽譜を前に、娘は泣きながら朝練を重ね、学校に行くたびに体調を崩し保健室に運ばれた。
大人になると嫌な人、合わない人、出来ない人とは関わらないという選択肢が持てるし、大抵はそういう人を排除、または接点を持たないようにしてしまう。会社だって嫌だったら転職すれば良い。
でも学級はそういうわけにはいかない。
歌が下手な子も、やる気がない子も含めてチームを組まなければならない。
そして辞められない。逃げ出せない。
幸い、コンクール1週間前にクラスが一つとなり、初の連覇を成し遂げたが、そこにはさぞ長く苦しい道のりがあったと思う。反抗していた生徒も苦しかったろうし、教師も悩みに悩みぬいた事だろう。それ故に喜びも計り知れないものだったろう。
いま現在も、アディックのみならず、僕が采配を取る組織の中では様々な問題が生じている。
大抵は「人」に起因する。つまり人間関係だ。
優秀ではない人材を組織する。
長所を伸ばす采配。
欠点を責めない。
そんな欠落人間の集まり、良く言えばエキスパートの集団だからこそ人間関係のトラブルは尽きないのだろうが、経営者が叱るポイントは他に迷惑を及ぼす言動があった時のみと割り切れば少々の事ではイラついたりしないし、逆に個性的で愉快な仲間たちに囲まれた生活はなかなかに刺激的で楽しい。
ちなみに、売上が足りないとか利益が出ないとかいうのは経営者の責任だから人にとやかく言う問題ではない。仮に組織が機能していなくて数字が伸びないのであれば、それも経営者の責任だ。自身の責任を棚に上げて社員や組織に八つ当たりするのは最低な経営者だと思う。自分もそうだったが(-_-;)
自身の責任を認識すれば、人に依存する事を止めれば、人に対して腹がたつことは激減する。人に何かを求めるのではなく、人に何かを与えられる人物でありたい。