「14歳の教室で」
絶え間なく揺れ動く思考は不安定な心を生み出し、オドオドと周りの顔色ばかり伺う態度となって表れていた。そんなふうにして僕は14歳だった。
学校までの道のりは長く、僕の歩みは遅かった。遥か後ろから歩いて来たサラリーマンに抜かされ、幼稚園児の列に抜かされ、僕はやっとの思いで学校まで辿り着く。
君は多くの友達を作らない。基本的には窓際の自分の机で本を読んでいる。吹き込む風がその長い髪を揺らせ君の頬にかかる。そんな光景を見るためだけに僕は学校へ来ていると言って良かった。とても声を掛ける勇気までは無かったから。
あのときの僕に、14歳の頃のあの教室に戻れたなら君に何と声を掛けたら良いのだろう?涼やかな風の吹き込む教室で君とたくさん話がしたかった。しかし揺れる心を抱えたあのときの僕に、切羽詰まった問題を自ら抱え込んだ僕には最初の一声さえ掛けることも叶わなかった。あれから20数年の時を経た今でさえも、その答えは出ていない。