雨のバスターミナルにて | shingo722のブログ

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「雨のバスターミナルにて」
 
 雨の降る朝の景色は憂鬱である。それが夜行バスに8時間揺られて辿り着いたバスターミナルの待合室から眺める雨の景色であるなら尚更である。雨合羽を着込んだ誘導員が効率よく人々をバスに押し込んでゆく光景を眺めながら、この雨はいつまで続くのだろうと僕は考えている。予報ではたっぷりあと2時間は強い雨が降り続くと言うのだが、缶コーヒーだけを頼りに2時間もの間この退屈と闘わなければならないのかと考えると僕はうんざりとした気持ちになった。周りには僕と同じく雨宿りをしながら時間を潰す者やあるいはただ自分の乗るバスを待つだけの人々が大勢いるわけだが、東京にある広い待合室ではそれほどの息苦しさは感じられない。
 暫定的な人々で構成された暫定的な空間。僕はそこでいつまでも振り続けそうな雨を眺めながら、様々な人々の人生がほんの僅かに交わる瞬間を感じ続けていた。