ノイズ | shingo722のブログ

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 「ノイズ」
 
 ノイズはさらに強くなっていった。僕はその音を聞くまいと努力したが無駄だった。無駄だよ、と誰かが耳元で囁いて、ぐいっと僕の肩を持って後ろに引きずり倒そうとしているような気がした。このノイズが聞こえている限り、僕は前へと進むことが出来ないのだ。
 僕はゆっくりとあたりを見渡した。そこには無限の可能性があると同時に何も無かった。ノイズがあらゆる可能性を相殺し続けているのだ。僕が何かを手に取ろうとする。するとまた後ろから誰かが耳元で囁くのだ。無駄だよ、君はその可能性を掴むことは出来ない、と。
「なぜなら君は過去に囚われ続けているからだ。それと同時に未来を手放そうとしている。そんな人間に誰がチャンスを与える?」
 今度のノイズはハッキリと、人の声という形をとって鳴り響き続けていた。そうだったんだ。僕はやっと気がついた。ノイズの正体は過去の亡霊。僕が振り返るまいとしても永遠に耳元で邪魔をし続ける存在。僕自身の影とでも言えるものだったのだ。
 僕は立ち止まり、目を閉じた。そしてあらゆる因果は自身に起因するという原則を受け入れ、過去と向き合う決意を固めた。