世間知らず | shingo722のブログ

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 「世間知らず」
 
 世間知らずであることは時として非常に恥ずかしいことであると思う。複数人で喋っているときにふとした話題に対して僕が全く無知であるとする。すると会話の流れはそこで止まり、一瞬の静寂ののちに驚きと侮蔑の込められた視線が僕に集中して向けられる。そうでなければ気まずい空気が流れるだけだ。
「ヴィレッジヴァンガードってさ」
 僕は言った。
「すごくオシャレだよね」
 彼女はキョトンとした目で僕を見た。
「30を過ぎるまでその存在すら知らなかったんだけどさ。ちなみになんと、僕の家の近くのイオンに入ってるんだけどさ」
「ヴィレッジヴァンガードをオシャレって言う人は初めて見たわ」
 彼女は少し間をおいてから言った。その響きには純粋な好奇心が含まれていた。
「あなたにとってのヴィレッジヴァンガードはそうね、スターバックスとかそう言ったお店と同じ位置にあるのかしら?」
「そうだね」
 僕は答えた。同じぐらいオシャレだと思う。
「あなたって変わった考え方をするのね」
 彼女は僕の目を覗き込みながら言った。
「でもあなたのそう言う人と違う感性というか、ちょっとズレたところ、私は割と好きよ」
 そう言って微笑むと、彼女は何か考え事をするように遠くを見た。僕は彼女の、そういった人の個性を受け入れる度量のようなものが、何というかとても好きだ。