「救い」
夜中に優しく身体を揺すられて目を覚ました。
「大丈夫?」
彼女は心配そうな目でこちらを見ながら言った。
「どうしたの?」
僕に助けを求めて起こしたのは彼女の方ではないか?事態を飲み込めていない僕は僅かに違和感を感じながら言った。
「うなされていたのよ、気が付かなかった?」
そう言われて、目を覚ます直前まで見ていた夢を思い出そうとしたが何一つとして手掛かりすら思い出すことが出来なかった。
「どことなく、助けを求めるような仕草をしていたわ」
うなされるばかりでなく身振り手振りまで付けて悶えていたのかと思うと、僕は少し恥ずかしかった。
「助けを求めている相手が私だったらいいのにって思ったの」
彼女は微笑んで言った。
「夢って潜在意識が表れるって言うでしょう?あなたが心の底から私のことを求めていたらいいのになって、そう思ったの」
僕は手を伸ばして彼女の頬に触れた。指先から伝わる温もりが、僕の求めていた救いの正体なのかどうか、確かめるように。