高所恐怖症 | shingo722のブログ

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 「高所恐怖症」
 
 はじめに高所恐怖症を発症したのはおそらく3才のとき、自宅のベランダに出たものの恐怖ですくんでしまい泣きじゃくっているところを母親に抱き抱えられた記憶がある。それがほとんど私の初めの記憶と言ってもよい。
 ここに1枚の写真がある。おそらくその初めの記憶より以前、デパートの屋上遊園地の双眼鏡を覗き込みはしゃいでいる私が写っている。今では屋上のフェンスに近寄ることさえままならない私には考えられないことであるが、一体その写真の私と3才の私との間に何があったのか、今となっては知る由もない事だと思っていた。
 昔、私の自宅のマンションで幼児の転落事故があったということを知ったのは全くの偶然だった。仕事先で当時その辺りに住んでいたという人に出会い、私のマンションの住所を告げると、「そういえば…」という風に彼が話し出したのだった。その事故は当時結構なニュースになったらしいのだが、当然私にその頃のニュースや新聞記事に関する記憶などあるはずがない。気になって調べてみると、果たしてそれは私の自宅の部屋での出来事だった。なるほど、私は過去にベランダから転落する事故により、高所恐怖が脳裏にすり込まれたのだ、そう思い記事を読み進めると、転落した幼児と私の名前が食い違っていた。これは単純なミスによるものだろうか?そう思いいくつかの記事を当たってみたが、どの記事も私の名前とは違った、ある一つの名前が出ていた。私は意を決して両親にその記事を見た事を告げる事にした。
 両親が重い口を開いて告げた真実は、当時私には弟がいたという事だった。ずっと自分が一人っ子だと思い込んでいた私には、それは衝撃的なことだった。そしてさらに私が両親を問い詰めて分かったことは、事故当時どうしても事情があって両親は家を空けていたこと、その時悪い事にベランダの鍵を掛け忘れていたこと、そしてそのとき部屋にいたのは私と弟の二人だったということだった。その事実を両親の口から聞いたとき、記憶の蓋が開いて洪水のようにそのときの映像が溢れ出してきた。ベランダから落ちていく弟の顔、呆然自分の手を眺める私。自分の手?なぜ落ちていく弟を私は見ているのだろう?弟がベランダから転落した原因は、私?私が突き落としたのか?一瞬のうちに蘇った記憶により、その考えに至ったとき、私は気を失っていた。