「匿名性」
匿名性というのはある場合においては自分自身にとって優位に働く。自分の立場を明らかにしたくない場合、例えばネット上で誰かを攻撃したい場合、職場で誰かを密告したい場合などなど、自分の素性がバレたくないときには匿名性という名のマントを羽織っている限り復讐の矛先がそちらを向くことはない。
しかし、大規模な都市社会において匿名性とは人々の個別性をも奪いかねないことになる。大勢いる都市生活者の1人として、アンケートの円グラフのパーセンテージの何パーセントかとして、個人を埋もれさせてしまうことになりかねない。
個の尊厳が叫ばれる時代ではあるが、ますます生活している都市の規模は大きくなり、相対的に個の存在は小さくなりがちである。匿名性の持つ安心感、まやかしの優位性にとらわれないよう気をつけなければならない、僕はそう考えている。