「披露宴」
親友の由美が結婚すると言うので驚いたが、相手がかつての恩師であるということにさらに驚いた。私自身お世話になったし、とても思い入れのある人だった。
披露宴当日、由美は純白のドレスに身を包み別人のように美しかった。幸せそうな表情はこれから先の未来を信じてやまない希望に溢れており、私は少し胸打たれた。
ケーキ入刀があり、花嫁の手紙があり、披露宴はまさにそのピークを迎えようとしていた。各々の友人たちが囃し立てる中、二人は口づけを交わしていた。先生は照れくさそうな、はにかんだような表情を浮かべ、相変わらずだなと思った。そして私も写真を撮る皆んなに混じってゆっくりと席を立つと、おもむろにハンドバッグの中にある、私の暗く燃えたぎる感情のような鈍い光を放つナイフに手を掛けた。披露宴は今まさにクライマックスを迎えようとしている。