「締め切り」
じりじりと締め付けるように時間は経過していった。時計の針が張り詰めた僕の気持ちをズタズタに切り刻んでいくようだった。
しかしどれだけ焦ったところで時間は刻一刻と容赦なく過ぎていく。パソコンの画面には真っ白な原稿だけが映し出されている。一向に手は進まない。
昨日までの自分の行いをいくら反省してみたところで時は巻き戻らない。今、自分に出来るベストを尽くすだけだ。そう考えた瞬間気持ちがフッと楽になるのを感じる。
今までの停滞を巻き返すように素早く手を動かす。まだ時間はあるが余裕は無い。間に合うか。鼓動と競争するようにキーボードを打ち付ける。いつものことだ。締め切りさえなければもっと良い物が、いやそれがあるからこそ作品は生まれるのか。毎度毎度、僕はその葛藤に苛まれ続けながら手と頭を動かしている。