「時の川」
時間性について考えると僕の頭は痛み始める。それは太古から流れる川のように現在まで続くもののようでもあり、あるいは一度入ったら二度と出てくる事の出来ない洞窟のようでもある。いずれにしてもその進行方向は不可逆である、僕は便宜的にそう考えている。
もしその可逆性を許してしまうなら、人類が地球上に現れてからのあらゆる失敗、そして僕の恥ずかしい過去、その全てをやり直す事が出来るなら、目の前に無数の可能性が提示される事になる。きっと僕たちは、その可能性の膨大さゆえに身動きが取れなくなってしまう事だろう。だからこそ、僕はその時間の不可逆性に身を委ねているのだ。
川は悠久の時の中を静かに流れ続けている。ときに傷ついた心を癒すように、静かに。