「肉」
暗闇の中で白い肉がほの白く浮かび上がる。彼女の脇から背にかけての肉を指でなぞりながら僕は絶頂に達した。
昔から太っている女性を見ると性的な興奮を覚えることを抑えられなかった。小学生のころ、若く太った担任の女の先生をチラチラと盗み見ては自分の欲求を満たしていた。
その女性と出会ったのは仕事帰りにふと立ち寄ったバーだった。しばらくカウンターの隅で飲んでいると、夜の10時を過ぎたあたりで彼女が入ってきた。上品なスーツのスカートから覗く脚には満遍なく肉がつき、大きな胸とむっちりとした二の腕が張り裂けんばかりに上着を盛り上げでいた。僕が気に入ったのは彼女が自分が太っていることを自然に受け入れてリラックスしているように見えることだった。自分の体型に対して引け目の様なものは少なくとも見受けられず、動作の一つ一つがセクシーだった。
僕はカクテルを飲みながらチラチラと彼女を見ていた。すると30分ほど経った頃、彼女はおもむろに僕の方にやってきて、隣の席に腰を下ろした。カウンターの椅子がギシリと軋んだ。
「このお店は初めてかしら?」
「ええ、まぁ」
「素敵なお店よね、シックで」
「そうですね」
「ところであなた、この後は時間はあるかしら?」
僕はことの展開の速さにいささか驚いた。
「ええ、まぁ」
「じゃあこの辺りに少し落ち着ける場所を知っているんだけれど、ご一緒にどうかしら?」
僕はあらためて彼女を見た。どう見てもその様な行為の専門的な職業の女性には見えなかった。
「どうして、また?」
「わかるのよ」
彼女は僕の目を見て言った。
「あなたの発する波長の様なものを感じるの。あなたが求めているものを、自分が与えられるんじゃないかということが」
彼女の蠱惑的な視線と艶かしい仕草、そしてその白い肌に僕は抗うことが出来ずに、引き寄せられるように彼女の後についていった。