「挑戦」
剥き出しの恐怖が僕を捕らえようとしていた。いつもそうだ。新しい挑戦をするとき、僕は自分が“いかだ”一つで大海に放り出された様な茫漠とした無力感に陥る。それは自分が深海の底にまで引き摺り込まれるかもしれないという恐怖に似ている。失敗、プレッシャー、リスク、そんな魔物たち(中世の地図に載っている海の化物のような姿をしている)がいかだのすぐ下まで迫っている様な気がする。
それでも、と僕は思う。あらゆる困難を押しのけでも僕は進まなければならないと思う。コロンブスやエンリケ航海王子のように、遭難や壊血病の恐怖に打ち勝ち、目的地に辿り着かなければならないと思う。夢に向かって挑戦するというのはそう言うことだ。僕はしっかりとオールを握りいかだを漕ぎ進める。新大陸は目の前だ。