プロフェッショナル | shingo722のブログ

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 「プロフェッショナル」
 
 どんな分野であれ、その道を極めた人間をプロフェッショナルと呼ぶのであれば、僕も間違いなくその中の1人であろう。僕は学校の授業が終わると真っ先に席を立ち、脇目も振らずに帰宅する。そう、僕は「帰宅部」におけるプロフェッショナルである。
 帰りのホームルームが終わってから帰宅の準備を始めるのは論外である。また、ホームルーム中にガタガタと音を立てながら帰宅準備をするのもスマートではない。僕は6時間目の最後の授業が終わるまでに徐々に準備を開始し、万全の状態でホームルームを迎える。
 今日も日直の号令で皆の礼が済み、皆が顔を上げる頃には僕は教室を出ている。正確に言うと、この教室に帰宅部は4名。文武に秀でたウチの学校では稀有な存在である。
 帰る直前、帰宅部の1人である村上が担任に呼び止められた。
「村上、職員室にプリントの山を運ぶの手伝ってくれないか?」
 村上は死んだ。ヤツの分までオレたちはベストを尽くさねばならない。ライバルの存在は帰宅部という個人競技においても団体競技のような連帯感を生むものなのである。
 我々は家に到着次第、帰宅部グループラインにその旨を連絡する。イカサマは無いという信頼感で成り立っているルールだ。
 僕は商店街の買い食いの誘惑を振り切り、最短距離を通り家路につく。いいタイムだ。もうすぐ家だ。玄関の扉に手を掛けた瞬間、スマホの通知が来た。
「村上が…到着した?」
 帰宅部いち家が近いとはいえ大差はないハズ…なぜ?はっ!そうか!職員室を通り抜ける事で裏門までの最短ルートを通ったということか…。
 完敗である。しかし我々もアスリートである。今日は祝福するが、明日はまたライバルに戻る。僕らの青春を懸けた闘いは続く。