「完璧な朝」
私の朝は一杯のコーヒーから始まる。もちろんインスタントでは無く自分で豆選びにまでこだわったものだ。トーストは2枚、バターは塗らない。
新聞で経済欄をチェックするのも私のルーティーンの1つだ。社会人として経済の動向を把握しておくのは当然の嗜みである。
だがこのあたりから何かが私の意識に引っかかっていた。私の完璧な朝の調和を乱す何かが起こっている。しかし焦りは禁物だ。トラブルにいかに対応するかでその人間の真価が問われると言っていい。
手早く歯を磨き、髭を剃って髪を整える。この間僅か3分である。時間に追われるサラリーマンにとっていかに効率よく行動するかで5年後10年後で大きな差が出るのだ。
玄関を出てスマートフォンの時間をチェックすると7時50分。いつもの時間だ。1分の誤差もない。私が満足した気持ちでふと画面に表示された日付けに目を移したとき、先ほど感じた違和感は確信に変わる。今日は日曜日だ。会社は休みである。
私はしばらく呆然としていたが、徐々に湧き上がる解放感に背中を押される様にして部屋に入った。ミスは誰にでもある。この後の行動でその人間の真価が問われる。このあとの私の行動は…まぁ、ビールでも飲んでもう一眠りするか。