「隠してたこと」
「実はお前にずっと黙ってたことがあってさ」
親友が宇宙人であることは最初から気付いていた。全身銀色に輝く皮膚。額から飛び出したアンテナの様なツノ。急いで帰った日には頻繁にUFOが目撃されていること。給食を口ではなく頭の後ろにある「何か」で食べていることから考えても、疑いの余地は無い。むしろ周りがなぜ気が付かないのかが不思議なくらいだ。
「薄々気付いてたよ」
薄々などでは無かったが、親友を傷付けたく無かったので僕はそう答えた。
「そっか…。実はオレ、転校するんだ」
「え?」
「父親の転勤が決まってさ。福岡、良かったらまた遊びに来てくれよ」
「え、本当に?福岡?」
「あぁ。また写真とか送るよ」
もっと遠くへ帰るんだと思っていた。
「ちょっと待って、何か他に隠してることない?」
「他に?」
「大事なこと」
「そっか、バレてたか」
当然だ。
「オレ、吉岡さんのことが好きなんだ」
「え?」
「転校する前に告白しようと思う」
転校する前にもっと大事な「告白」は聞けるのだろうか?