洞窟 | shingo722のブログ

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 「洞窟」
 
 その洞窟はどこまでも深く深く伸びていた。途中いくつかの、行き止まりのある横穴や分岐点を含みながら、穴は奥へ奥へと続いていた。
「一体どうしてこんなに深い洞窟が出来たのかな」
 僕は相棒に尋ねてみた。
「そうさな」
 相棒は言った。
「自然の作用か、さもなくば古代人が掘り進んだんだろう」
「でも古代人にこんな深い穴を掘る技術があるかい?」
「さぁ…」
 相棒は少し考えて言った。
「長い時間と歴史を積み重ねて少しずつ掘り進めたとかかな」
「なるほどね」
 僕にしたところで彼に明確な答えを求めているわけではなかった。それは何か話をして気を紛らわせでもしないと、頭がおかしくなってしまいそうなぐらい深い洞窟だったのだ。
 どれだけの時間、僕たちは奥へと進んだだろう?数時間か数日か、時間の感覚はとっくに消滅していた。そして僕たちはついに洞窟の奥へと突き当たった。その奥にあったのは、白い骨だった。
「古代人の骨かな?」
 僕は相棒にきいてみた。
「おそらくね」
 相棒は注意深く懐中電灯でその骨を照らしながら答えた。
「おそらく数千年か数万年の間、この洞窟の奥の奥で眠り続けていたんだ」
 僕たちは人類の祖先が見た長い長い夢に想いを馳せながら、元来た道を引き返した。途中、何度も同じ過ちを繰り返し、行き止まりに突き当たったりして回り道を繰り返しながら、我々の時代へ、あるいはその先の未来へと進んで行った。