「ダラダラ」
彼女と2人で溶けてしまいそうな炎天下で街を歩きつつこのまま溶けて彼女と混じり合ってしまうのも悪くないかなどと考えながらコーヒーショップに入った。
「ねぇ、どうしてそんなにぼんやりとした顔をしているの?」
「すごく、暑いから」
「でもあなた年中そんな顔してるわよ」
「そうかな」
運ばれてきたアイスコーヒーに彼女はシロップを2つとクリームをたっぷりと入れて僕は何も入れずにそのままブラックで飲んだ。
「どう、少しはシャキッとした?」
「いくぶん」
「その割にふやけたみたいな顔は変わらないのね」
天井では大きなファンが店内のBGMとざわめきとクーラーのヒヤリとした冷気とをかき回して渾然一体となった空気を作り出して僕はその中を静かにたゆたっていた。