「休日」
けたたましいアラームでいつも通りの時間に目覚めてしまった。今日は仕事は休みだ。目覚ましのアラームを切るのを忘れてしまった。昨日のビールの酔いがまだ残っている。休みの前日に深酒する習慣はなかなか改めることが出来なかった。「今日は休み、か」僕は思った。
僕は趣味を持たない。格闘技を見るのは好きだが、今の選手の名前はほとんど知らない。運動も仕事が忙しくなって来てからは次第にサボりがちになってしまった。恋人はいることは、いる。
「何してたの?」
「今起きたところ」
「今日の予定は?」
「まぁ、色々」
「どこか出掛ける?」
「ごめん、疲れてる」
本当に疲れていた。色んな、何やかやにだ。彼女の買い物に付き合って、食事をして、僕の家でセックスをして、終電までに彼女を駅まで送る、そんな何万回繰り返したか分からないルーティーンにうんざりもしていた。電話を切ってから漠然とした罪悪感に苛まれたが、気怠さに紛れてやがて消えていくだろう。ベッドの傍のカレンダーを見た。もうすぐ僕は、35歳だった。