マカロニ・グラタン | shingo722のブログ

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 「マカロニ・グラタン」
 
 「マカロニ・グラタン食べる?」
 彼女は言った。
「マカロニ・グラタン?」
「あなた、マカロニ・グラタンは好き?」
 それは実にマカロニ・グラタン的な午後であった。あるときにはそれがミート・スパゲッティー的な午後であり、ハンバーグ・ステーキ的な午後であったりするわけだが、今日がたまたま、マカロニ・グラタン的な午後であったというわけだ。
「うん、好きだよ。」
「じゃあ決まりね。マカロニを茹でる間ビールでも飲んで待っててちょうだい。」
 僕はマカロニを茹でている彼女の後ろ姿を眺めながらビールを飲んだ。彼女はマカロニが茹で上がる間にホワイトソースを作り、器を準備して、付け合わせのサラダまで作っていった。実に手際が良かった。
「よく料理をするの?」
「いいえ、そうでもないの。でも、昔からマカロニ・グラタンを作るのだけは得意だったの。」
「お母さんが得意だったとか?」
「いいえ、そういうわけではないの。どうしてかしらね?」
 僕がビールを飲み干す頃にマカロニが茹で上がった。僕は2本目のビールを飲みながら、オーブンでマカロニ・グラタンが焼きあがるのを待った。マカロニ・グラタンにはどこか祝祭的な響きがある。ひじきの煮物や、インゲンの胡麻和えではなかなかこうはいかない。決してどちらも嫌いではないけれど。
 やがてチーズの焼ける香ばしい匂いがして来て、マカロニ・グラタンが出来上がった。僕と彼女はテーブルを挟んで向かい合い、さっそく食べることにした。彼女の作るマカロニ・グラタンは予想を遥かに超えて美味しかった。
「あなた、シーフード・ピザは好き?」
「もちろん」
「じゃあ今度作ってあげるわね」
 そう言って彼女は微笑んだ。僕たちは再び食卓を囲むだろう。またいつか、シーフード・ピザ的な午後に。