筋肉を出力器ではなく感覚器として考えよう | 身体の使い方の秘訣 〜運動の土台、整体の土台は、身体の使い方スキルUPにあった〜

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身体の使い方をレベルアップさせる秘訣を公開しています。

美しい姿勢、変幻自在な動き、対人関係におけるベストな「間」、疲れにくい体質の構築など、身体を「思い通り」にデザインする方法、整体施術をレベルアップさせる方法についてお伝えします。


● 筋肉を出力器ではなく感覚器として考えよう

こんにちは、山崎です。

体幹について。

体幹という発想は大切。

でも、鍛えるとしたら「筋力」ではなく、感性や感覚ですね。

筋肉を「出力器」ではなく、「感覚器」として捉えるのです。

※出力器:筋力、スピード等
※感覚器:センサー、感度等

これらは、イメージとして捉えてもらったらOKです。


「腰が痛かったら、腹筋を鍛えたらいいですか?」

という質問は、そもそもの問題の方向性からおかしいです。


腰が痛いというのは、そもそも感覚(痛覚)に問題があるので、筋の出力器の問題ではありません。

腹筋をしたら、腰痛が楽になった。

というのは、たまたま腹筋をしたら腰の緊張が取れただけか、もしくは、興奮によって「疼痛抑制系」が働いたことによって、偶発的に痛みが抑制されただけ。

なんら、感覚器の異常という問題の解決には至らないのです。


僕は長年、

身体の痛みで苦しんできて、それらを克服してきた人間として、運動音痴というコンプレックスを克服してきた人間として、

「感覚器にスポットを当てることが大切なんだよ」
「出力器の視点だけしかないのは盲目っていうんだよ」
「じゃないと、根本的な体質改善は一生起こらないよ」

と、伝えてきましたが、昔は僕も筋肉を出力器として捉えて、自分の身体が「望ましくない方向」へ進んできました。


ですから、筋肉を出力器として捉えてしまっている人たちには、感覚器としての視点も持ってもらって、その視点を一般の人にも伝えてほしいと願っています。

この感覚や感性は「体力要素」とは異なり、衰えにくいものです。

筋力などの体力要素は若い頃がピークですが、感性や感覚は年齢を重ねても進化することができます。


感性や感覚を育てる方法。

感性や感覚を育てるには、次に書く「意識」を持っておいてください。

この意識を持てば感性レベルが高くなり、同時にステージも上がって、エネルギーレベルも高くなります。

それほど強力な「抽象概念」です。

この抽象概念を頭の片隅(潜在意識)に置くと、やがて、「なるほど」と充実感(静かなる一体感)を体感できる日がやってきます。


人間的なステージを高めるために、持つべき意識(抽象概念)とは、

「味わう」

という意識です。


大量にワインをがぶ飲みしたり、大量のごはんを胃袋に詰め込んだりするのではなく、じっくりと味わいながら「いただく」ことが大切。

これで「質」が高まるのです。

質とは何かというと、これこそ「一体感」のことを指しています。

・ワインと私の舌との一体感。
・ごはんと私の胃袋との一体感
・生産者と消費者(私)との一体感

など。

ごはんやワインを生産者から「与えて」もらう側になる僕たちは、「もらう」側の立場です。

もらう側は、じっくりと味わっていただき「感謝」することで、与えてくれる人と一体感を味わえて、質の高い食事が摂れます。

こうして、生理的・精神的なエネルギーレベルが高まります。


歩く時、地面と接する足裏では、じっくり地面を味わうようにして、地面を感じてください。

セラピストであれば、顧客の身体を触りながらじっくり味わうこと。

顧客の身体からは、様々な情報(悲鳴など)が発信されているので、その情報を手のひらで「キャッチ」するようなイメージです。


顧客の身体を「揺らす」とか、「押す」とか、そういうテクニックを使う以前に「味わう」という意識を忘れずに触ってください。

じっくり味わえば、セラピストと顧客という分離された別々のものではなく、同じ時間や空間を共有し、互いに充実感を味わうことができるようになります。

そんな至福のひとときを、味わえる「関係」を目指したいですね。


それでは今日はこの辺で。

ありがとうございました!