かわぞうの小説集「官能小説・ひとりごと・etc」 -37ページ目

官能小説「夕日に隠れて」九

僕の意識は、形を取り戻し、



口から、さらなる快楽を求めて期待と不安に揺れる手のひらに移っていった。



胸が高鳴る。



触ってもいいよな?



ダメとか言わないよな?



少しずつ、松倉の腰から脇腹のあたりを這うように、僕は手のひらの位置を、憧れの胸に向かってずらしていった。



その手はまるで、天敵の影に怯えながら餌に近づいていく蜘蛛(くも)のように。



松倉は、それでも変わらず僕の舌に舌で快感を供給し続けていた。



僕は、その様子に力を得て、



ついに、手のひらの位置を、松倉の胸の下部を包むくらいにまで上げた。



白く、清潔なシャツ越しに、ブラの感触が手のひらに伝わった。



その瞬間に、松倉が「んふっ」と声を漏らし、



少し、眉間に皺を寄せた。



いいんだ…



もっと大胆に触っていいんだ…



邪(よこしま)に見えていた希望は受け入れられ、



期待は膨らみ、もうたまらなくなって、



僕はタガが外れたように、夢中で松倉の胸を揉みしだいていた。



それに相乗して、舌を絡めた口づけも、お互い、さらに激しくなっていた。



と、松倉は、ゆっくりとした手つきで、自らシャツのボタンを外し始めた。



自分で脱ぐつもりなのか…?



次第に露(あら)わになってくる白い胸元…



豊満な胸を美しく強調する、その深い谷間…



下までボタンを外し、弛(たゆ)んだシャツを肩から滑らせ、両の手首を袖から抜き、



とうとう松倉の上半身は、薄い紫の、可愛らしいブラを着けただけの姿になった。



興奮が高まってきたせいなのか、僕の頬からこめかみにかけての部分が、じんじんと熱くなった。



松倉は、それから両腕を僕の首に回し、濃厚な口づけをほどいて、



「ねえ、坂口くんも脱いで…。」



と言った。



そして、再び濃厚な口づけをしてきた。



僕は、また執拗に絡めてくる舌の感触を嬉しく感じ取りながら、



言われるがままに、まずは制服のブレザーを脱ぎ捨て、



シャツのボタンを、せわしなく外していった。



腰のベルトも緩め、シャツを出しきって残りのボタンも全て外し、脱ぎ捨て、



下に着ていたTシャツも脱ぎ捨て、



やっと僕も上半身裸になった。