かわぞうの小説集「官能小説・ひとりごと・etc」 -100ページ目

私的 桃太郎伝説 15

「 やっと思い出してくれましたか、ダンナ。 」



桃太郎の頭の中に、その時の情景がありありと浮かんできました。



猿を相手にしたのは後にも先にもその一度だけだったのです。



「 うん、思い出した。お前は、あの時かなり暴れたよなあ。 」



「 キキッ!当たり前ですよ。獣姦する人間がいるってのは聞いたことがあるけど、まさか猿の、しかもオスであるあっしに手を出すなんて。 」



桃太郎は猿のその言葉を聞いて、腹を抱えて笑い出しました。



「 全く…痛かったのなんのって。あの後しばらく走れなかったんですからね…ダンナ、ケダモノですなあ、あなたは。 」



「 あ~はっはっは!面白いなあ。いやスマンスマン。あの時は同じパターンに少し飽き始めていてなあ。たまたまそこにお前がいたものだから、ついつい…でも、あれで猿みたく小さい生き物は具合が良くないってことがよくわかったよ。あ~はっはっは! 」



「 なんですか、そりゃ…。 」



猿は呆れて、ため息をつきました。



「 ああ、すまなかった。具合も良くないことだし、もう二度と猿には手を出さないから安心しろ。 」



猿はなおもジィッと桃太郎の顔を見ています。



「 なんだ、まだ何かあるのか?まさか、お前また俺に…。 」



「 ギャー!違う、そうじゃないですよ! 」



「 あっはっはっは!違うのか。ではなんだ、もの欲しげな顔をして。 」



「 そのお腰につけたものは、何です…? 」



猿は、桃太郎の腰についているキビダンゴがいくつも入っている袋を指差しました。