本日はヤン様の寄稿コラムの日です！
昨日の衆院選の結果と、ヤン様の今回のコラムを読んで、今の日本は相当重症だなと。
まずは皆様と共に、ヤン様コラムを読んで、今の日本の問題点をしっかりと認識をしないことにはどうにもこうにも。
それではヤン様コラムをどうぞ！
『二重思考と全体主義が蔓延る日本【ヤンの地雷】』
二重思考とジョージ・オーウェル
先週は寄稿を飛ばしてしまい大変に申し訳ございませんでした。仕事に忙殺というか殺されそうになっておりまして、日時感覚もほとんどなく、という言い訳のテストm(__)mｺﾞﾒﾝﾅｻｲ
さてそんな状況ですので本日のテーマは端的に論じていきたいと思います。ジョージ・オーウェルという小説家をご存知でしょうか？1984という小説を書かれた人で、この本の出版は1948年だそうです。
この小説の背景には当時に脅威と考えられたソビエトがあり、いわゆる共産主義&スターリン主義をモチーフにしていると一般的にはいわれておりますが、私はこの著作に資本主義の末期的状況も重ね合わせ感じます。
何故か？グローバリズムが行き過ぎた資本主義、つまり政治の規制を受けずに野放図に振る舞う資本主義とは、さながら階級社会を共産主義で現出させたスターリン主義とほとんど同一に見えるからです。
共産主義とは元来、すべての労働者がマルクスが唱えた労働価値説にもとづいて生産した価値を、労働者自身の手に分配するという主義でありましたが、そこは政治と権力と闘争が人間の性。マルクスが唱えたような公平かつ平等な分配なんぞというものは実現せず、権力闘争によって民衆は苦しみ、権力者は己の権力と保身をするために汲々とするという現実になったわけです。
では資本主義は？野放図になって全く同じ構図です。グローバリズムによって民衆は格差に苦しみ、貨幣という権力のツールを求めてグローバル企業と大資本家が汲々と人間性を忘れて保身をしているわけですね。
政治上で権力闘争をするか？経済上で貨幣をツールとして支配を争うか？だけの違いではないでしょうかね？我々庶民にしてみれば。
ですのでジョージ・オーウェルの1984という小説は、私には「資本主義の末期的症状」を思わせたわけです。
この中で出てくる重要な概念、つまりは二重思考(ダブルシンク)というものがあります。これは何か？Wikipediaから引用しましょう。
二重思考（にじゅうしこう、ダブルシンク、Doublethink）は、ジョージ・オーウェルの小説『1984年』に登場する思考能力であり、物語の中核をなす概念。それは「相反し合う二つの意見を同時に持ち、それが矛盾し合うのを承知しながら双方ともに信奉すること」[1]である。作中の例でいえば、舞台となっている全体主義国家では民主主義などは存立しえない、という事実を信じながら、なおかつ、国家を支配する「党」が民主主義の擁護者である、というプロパガンダをも同時に信じることを指す。
まあ要するに思考停止ということです。
ではハンナ・アーレントの議論を借りてきましょう。ハンナ・アーレントは全体主義を「凡庸という悪魔、思考停止こそが全体主義の根源である」と喝破しました。とすると二重思考を強制する1984の教育というのは、意図的に全体主義に突入させるための非常に高度かつエグい話なわけですね。
このシステムを考えつくとしたら非常に知的な悪魔としか言いようがないでしょうね。そしてその非常に知的な悪魔は1984にも登場します。
いやいや、怖い話だ。と思っているそこのアナタ。日本もすでにこうなっている可能性が高いのですよ。
だってそうでしょう？20年間も緊縮財政をやって、日本国民の平均所得は50万円近く落ちている。つまりどんどん貧乏になっているのにもかかわらず、いまだに「規制緩和だ！構造改革だ！◯◯改革だ！大阪都構想だ！」と言っている勢力が300議席を取ろうとしているんですから(自民党やら維新、希望ですわな※1)
こんなものは20年間も間違え続けてその矛盾に気が付かず、気がつこうとしない「二重思考」であり、そして政治状況を見渡してみればプライマリーバランスを前提条件とした議論したしてないじゃないですか。
これは正に「財政破綻・全体主義」ともいえる状況ではないですか(！！！)
つまりですね、ジョージ・オーウェルの慧眼は1948年の時点ですでに「民主制国家においても、このような馬鹿げた全体主義が蔓延る可能性が大いにあるぞ！」と見破っていたことにあるのです。
さて、どうしましょう？
※1 この寄稿は10月18日に書いておりまして、まだ選挙結果は出ておりません。なんだか自民党圧勝的な状況と報じられておりますが、もし違ったら私ではなくそう報じたメディアにクレームをお願い致します(笑)
（了）
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