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などなど……
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減税を主軸にした財政政策の問題の一つは、どうしても財政(赤字)拡張が頭打ちになることである。
そうなると、名目GDPへの効果も漸減していき、望ましい名目GDP成長経路に乗ることが出来ない。
NGDPを恒久的成長経路に乗せるには、恒久的な財政拡張が基本的に必要である。
そのためには、支出が主軸の財政政策が必要になるのだ。
リフレシンパには少なからず、減税主軸を称揚する向きがある(支出拡大よりも、減税を強調しがち)のだが、彼らがそう主張する理由としては、「減税は恒久的拡張を実現できない」という事実に対する無知が理由である場合と、「そもそも財政刺激は一時的で良い」という見解が理由である場合がある。
例えばクルーグマンもhttp://d.hatena.ne.jp/himaginary/20151028/rethinking_japanで見るように、短期的な財政拡張による流動性の罠脱却を主張している。
しかし、クルーグマン自身の流動性の罠論を「内生的貨幣供給」の観点から展開すれば、不況下でマネーサプライを追加するのはあくまで財政赤字である(中央銀行ではない)ので、将来のマネーサプライの水準予想は、財政赤字の予想に依存することになる。
したがって、一時的な財政刺激は、クルーグマンの理論における「一時的なマネーサプライの追加」と同じで、経済への効果が極めて小さくなる。(クルーグマンが「財政出動は一時的で良い」という誤った結論を導いたのは、「貨幣外生説」という誤った前提を置いてしまっているからだ)
内生的貨幣供給に則った調整インフレ政策のためには、将来に渡る恒久的な財政政策が必要不可欠になる。
「なぜ異次元緩和が失敗に終わったのか」でクルーグマンの不況モデルを解説したのだが、その中の提案は、「将来のマネーサプライを引き上げることで、インフレ予想を引き上げる」というものである。そして、信用創造の罠の中で将来のMSにアクセスできるのは財政政策しかない。
リフレシンパの多くは「信用創造の罠の中では将来のMSにアクセスできるのは財政政策だけ」ということが分かっていない(信用創造の罠という言葉を広めた井上智洋先生の本を読んでも理解していない…)ので、減税主軸の姑息的財政政策を論じてしまうというミスを犯しているのである。
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