来年のサッカーW杯に出場する全32チームが決まりましたね。
いつまで経ってもしっくり来ない日本代表は、どうするのだろう…。
あんなんで「目標はベスト4」なんて、どうしたって言えない。
「ワースト4」ならば、わかるけれど(苦笑)。
しかし、そんなことすらブッ飛んでしまうような事件が起きるとは。
しかも、私がその経過をとても気にしていた、フランス 対 アイルランド 戦で。
<W杯サッカー欧州予選プレーオフ第2戦(11/18、パリ)>
フランス 1-1 アイルランド
(90分0-1、延長1-0)
得点者 33分 キーン(アイルランド)
104分 ギャラス(フランス)
次のシーンをご覧下さい(YouTubeが開きます)。
その事件
明らかなオフサイドとフランス・アンリ選手のハンドリングの反則です。
にもかかわらず。プレーは続行され、アンリ選手の手で2度にわたりトラップされたボールが、
同選手によりパスされ、それを受けたギャラス選手が頭で押し込み、ゴールが生まれました。
これで反則でないとすれば、何を反則とするのか…。
もうこれはサッカーではない。
しかも審判は、「100%ハンドではなかった」と言い張っています。そう言い切るには
随分遠い位置にいたくせに。
ただ、FIFA(国際サッカー連盟)の規則で、「試合を司るレフェリーの裁定が最終」とのこと。
よって、判定は覆ることなく、ゴールが認められ、そのまま、延長戦も終わり、
フランスは引き分けに持ち込んでW杯出場を決め、アイルランドは予選敗退となりました。
なんと言っていいかわからない。
どう表現していいのか、言葉にならない悲しい結末です。
こんなことだったら、0-5とかで大敗しているほうが、余程気分がスッキリする。
内容では、アイルランドが上回っていたとか、そんなことは何の慰めにもならない。
(事実、試合内容は明らかにアイルランド優勢であったと思いますが)
「相手よりも良い試合をしたのだから、誇りを持っている」
とアイルランド主将のキーン選手(先制ゴールを決めた選手)は言うけれど、
アイルランドは、またもそういう誇りと引き換えに大きな悲しみを背負うのか、とも言いたくなります。
(ここでいう「またも」とは、アイルランドが英国から独立した時の話にダブらせています。
書き出すと大変長くなるので、文献を当たってみて下さい。要は、独立戦争を超大国相手に勇敢に
戦ったものの、その犠牲もまた大きかった、ということです)
- 物語アイルランドの歴史―欧州連合に賭ける“妖精の国” (中公新書)/波多野 裕造
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まあ、ともかく結果は出ました。
本大会に出るフランスの選手達に幸あれ、と願うしかありません。
特に、フランスのゴールキーパーのロリス選手は逆にフェアプレー賞もののプレーでした。
前半、キーン選手がチャンスにゴール前に飛び込んだ際、ボールに足が届かず、その振った足が、
ロリス選手の頭付近をすり抜けることになりました。ちょっと危ないプレーで、そういう場合、猛烈に怒りを
見せるゴールキーパーが多いと思うのですが、そのプレーの直後、キーン選手が謝罪の意味で、
手を差し伸べた時、顔色も変えずにきちんと手を合わせ、それに応じていました。
ギリギリの状況下でのプレーにもかかわらず、そういう態度を取ったことは素晴しい。
本大会での大活躍を期待します。
しかし、判定とかどちらがW杯に出るかということには関係なく、
アンリ選手は、出場停止などの処罰がなされるべきです。
故意にボールを手で扱ったということであるならば尚のこと(当人はそのように認めているようです)。
事実、ゴール前での故意のスライディングやその他悪質なタックルに対しては、
そういった処置が取られています。
故意に手を使う、のはルールで禁じられているわけです。
よって、ゴールが認められる云々以前にイエローもしくはレッドカードの対象。
それすらないのは、スポーツとしておかしい。
また、そのプレーを流した、審判は4人ともには資格剥奪などの処分が下るべきでしょう。
理由は、ボールのあるところで起こっていることを適切に判断できる位置にてきちんと見ていなかった
と考えるからです。
選手が多く集まった密集地帯で何が起こっているのか、見える位置に審判が全くいなかったことが、
VTRを見るとわかります。主審はペナルティーエリアの随分外にいますよ。
あれは怠慢としか言えないでしょう。
両国の大統領・首相までも、この試合に対して声明を出すまでに至った、いろいろと遺恨の残る試合。
後世にまで語り継がれるのかもしれません。
でも、アイルランドの人々の気持ちを考えると、いたたまれなくて、何と言っていいかわからなくて
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