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2023年4月19日 初版発行 株式会社KADOKAWA 320p 単行本化にあたり、加筆修正
○宮部みゆき「ぼんぼん彩句」飲みましたか
この本は、著者のカラオケ&俳句仲間が詠んだ俳句にインスピレーションを受けて作られた12の短編集です。
最近 著者は時代劇作品が多いように感じますが、これら短編はどれも長編ミステリーになってもおかしくないような、深く密度の濃い味わいです。
著者も続編を出していきたい、と言っています。非常に面白く今後も楽しみな一冊でした。
追記
表題の「ぼんぼん」は、俳句の「凡手」からとっているとのことですが、短編の題名になっている俳句はどれも味わい深いです。
以下、覚えがきです。
「枯れ向日葵呼んで振り向く奴がいる」 『俳句』2018年6月号付録
アツコの婚約者が突然、婚約の破棄を言い渡してきました。彼女は 行き先も決めずバスに乗り込みます。。。
「鋏利し庭の鶏頭刎ね尽くす」 『俳句』2019年10月号
夫はこどもがいるのに、夫もその実家の家族も、夫の高校生の時に亡くなった彼女のことについて、語り合っているのです。
「プレゼントコートマフラームートンブーツ」 『俳句』2023年2月号
アタル君はお父さんと、お母さんにプレゼントするためにリスのぬいぐるみを作っています。。。
「散ることは実るためなり桃の花」 『俳句』2021年3月号
光葉の結婚した夫、優一は、司法試験を受けると言って、仕事を辞めてしまいます。光葉の母、昭子は、それについて、思うところがいっぱいあるのですが。。。
「異国より訪れし婿墓洗う」 『俳句』2019年11月号
人類がミラクルシードというものを使って平均寿命が100歳を超えられるようになった未来の話。
「月隠るついさっきまで人だった」 『俳句』2018年6月号付録
姉のノリカは、彼氏ができてから様子がおかしいです。。。
「窓際のゴーヤカーテン実は二つ」 『俳句』2022年10月号
冬になっても枯れないゴーヤの二つの実。。。
「山降りる旅駅ごとに花びらき」 『俳句』2021年5月号
春恵は祖父の遺産分けということで、よく家族で泊まった集まるのですが、春恵はなぜか、母親や妹から、言葉によるいじめの対象とされていたのでした。。。
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