夜の国のクーパー
☆☆☆+
2012年5月 404P 新潮社
○伊坂幸太郎「夜の国のクーパー」読みました。
妻とのトラブルをかかえている僕は、趣味の釣りに出かけたところ、知らない場所に流されて身動きが取れなくなってしまいました。
そんなとき、やってきたトムという猫は、この町で始まった戦争について、語り出しました。
「隣国の鉄国の兵士がやってきて、猫が住んでいる国をあっという間に支配してしまったそうです。そして鉄国の片目の兵長は、この町の王である冠人を銃で一瞬で殺してしまいました。」
僕は、なぜか、猫の言葉が理解できるようになっていました。。。
ということで、10冊目の書き下ろし長編小説、伊坂幸太郎「夜の国のクーパー」読みました。猫トムくんの独特の語り口で、物語は進んでいき、ときどき僕が、合いの手を入れるのような、構成のお話です。
猫トムくんの語り口が、猫っぽくて優しくゆるくいいかげんなようでもあり、緊迫している内容でも、なんとなくスルリと読めてしまうところが、不思議な小説です。
ファンタジーぽい感じが、文章のトーンから感じられます。また、いつも通り伏線が張ってあるので、最後にエッと思うこと必至かも。初期の作風にも似た、ロジカル的でありでもちょっとありえない、そんな楽しい、作者らしい小説でした。9062
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