恩田陸「木洩れ日に泳ぐ魚(さかな)」 読みました | 親愛なる人に-読書の薦め

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木洩れ日に泳ぐ魚/恩田 陸

263p 中央公論社 2007年7月 婦人公論2006年1月22号~2007年2月22号に加筆
☆☆☆☆

恩田陸「木洩れ日に泳ぐ魚(さかな) 読みました。


高橋千浩と藤本千明。二人は双子の兄妹ですが、幼いときに父親が失踪したため、千明は養父母に育てられることになりました。


二人は大学生のときに出会い、同じアパートに住んでいました。しかし、いろいろなことがあり、今晩で二人は別々に暮らすことになりました。


お互いなぜか相手が父親を殺したと思っています。一波乱ありそうな一晩です・・・


ということで、恩田陸「木洩れ日に泳ぐ魚(さかな) 読みました。たった、一晩の出来事。登場人物はたった2人だけ。その一晩での二人の思いを中心にこの物語は成り立っています。


26章に分かれているのですが、章ごとに語り部が代わります。それぞれ僕は、私は、それぞれの立場で相手のことを考えます。心理サスペンスですね。


それらの言葉を追っていくと、ときどき印象深い言葉がちりばめられています。たとえば、「かつてカップルの痴話げんか、ワイドショーなどで繰り返される陳腐なトラブルやゴシップ、それらをくだらない、関係ないと信じきっていた頃があった」とか「朝というのは人を正気にさせ、全てを日常に引き戻す」など。


眠る前に少しずつ読んでみてください、じっくり言葉が効いてきます・・・



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