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1996年7月 308p 集英社、1999年2月 359p 集英社文庫
東野圭吾「毒笑小説」読みました。
全12話からなる短編集です。それぞれ独立したお話です。以前、「黒笑小説」というを読みました 。それが、2005年4月の発行でしたから、それより約10年前に出ているのですね、これは。
東野圭吾の作風はいくつかありますが、これはかなり下世話な話が多かったです。また、マイナーな雰囲気が漂っています。この頃は、まだ爆発的に人気があるわけではなかったからでしょうね。でも、読みやすさは今も昔も変わりません。ということで、これを読めば、東野圭吾のちょっとマイナーな毒のあるユーモア話を手軽に味わうことができます。
以下は覚え書きです・・・
「誘拐天国」(小説すばる95年11月号)
金持ちのおじいさんが、自分の孫と遊ぶため、孫を親から誘拐します。
「エンジェル」(小説すばる96年2月増刊号)
エンジェルというプラスチックを食べる不思議な脊椎動物が発見されます。それはエンジェルにそっくりなのでした。SFっぽい小品。。
「手作りマダム」(小説すばる94年11月号)
富岡夫人は夫の上司の奥さんです。この人は何でも手作りしてヒトに押しつけるのですが、それらが全部へたくそ・・・
「マニュアル警察」(小説すばる93年11月号)
ある男性が妻を殺してしまいました。自首するために警察署に行くのですが、警察官がマニュアルに沿って動くので、なかなか話が進みません。。。
「ホームアローンじいさん」(小説すばる94年4月号)
じいさんが孫のAVビデオを見たさに、留守番をします。そこへ泥棒が・・・
「花婿人形」(小説すばる95年4月号)
ちょっと汚い結末。。。
「女流作家」(小説推理92年2月号)
女流作家が子どもを出産後、姿を現さない。ガリレオネタ。
「殺意取扱説明書」(週刊小説93年7月9号)
あるとき、古本屋で殺意取扱説明書を偶然手に入れた私は、育美を殺そうと決意しました・・・
「つぐない」(野生時代94年10月号)
仕事一筋の男が、突然ピアノを習い出します、それも猛烈に。なぜ?
「栄光の証言」(週刊小説94年12月9号)
あるとき、さえない男が、殺人現場を目撃した。でも、証言が少し変。。。事件はシリアスに向かうと思いきや、毒のある大笑いの結末へ・・・
「本格推理関連グッズ鑑定ショー」(小説すばる96年5月号)
何でも鑑定団のパロディ?かな
「誘拐電話網」(小説宝石96年1月号)
あるとき自宅に「子どもを誘拐した金を出せ」と電話が。。。でも、俺には子どもはいない・・・
2/16/2008